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二週間以上不正出血が止まらないので病院に行ってみた①

2023年12月。年末。

師走の名に相応しいような忙しない日々を送っていた頃
私の股から血が出ていた。

 
不正出血である。

 
女を約40年もやっていたら不正出血も見慣れたものだ。
特に今はピルを飲んでいる影響もあるのか
以前より不正出血の回数が増えた。

 
不正出血は大抵3日以内におさまる。

師走で忙しくて私の体も悲鳴を上げているのだろうか。
不正出血はストレスが原因の時もある。

 
まぁそのうち止まるだろう、と大して気にもとめずに日々過ごしていたのだが
さすがに不正出血が一週間以上続くと首をかしげてしまう。

 
女を40年近くやってきたが
不正出血がここまで続くのは初めてだ。
生理についてベテランだと思っていたが 
まだ予想外のことが起きるのか。

 
私は生理が来なかったのはたった一回しかなく
それ以外は毎月ほぼ予定通りに来るタイプだった。

まして三年前からピルを飲み出したし
今や薬により生理日をコントロールまでしている。

 
私の体がバグッている。

そんな気がした。
何かしら異変が起きている。

 
ちょうど不正出血の時期が年末年始の休みにかぶってしまったので、お正月をあけてもまだ血が出るようならば
産婦人科に行こうと思った。

 
幸いにも仕事が始まると出血は止まり、このまま病院には行かなくてもいいような気がした。

 
だが、血が数日止まったかと思えば
今度は不正出血の量が増え、生理痛のような腹痛が始まった。

今までは不正出血とはいっても少量だし、と大目に見ていたが
生理並みの血の量と腹痛は無視できない。

 
ネットには三日以上不正出血が続くようなら通院をすすめると書いてあったし
不正出血はポリープや子宮癌や子宮筋腫の可能性もあった。

 
三日以内の不正出血ならば、ホルモンバランスが崩れたというのが一般的で無視しても大したことがないが
結局出たり止まったりを繰り返し、不正出血期間が二週間以上なのはただごとではない。

 
生理が二週間近く止まらないケースや一ヶ月に二回生理が来たケースを知っているし
それでも異常なしだったことも知ってはいる。

だが
ピルを飲んでいる以上、ダメなのだ。
もしも予定外の日に生理が来た場合、薬の服薬について医師と調整が必要になる。

 
しかも、私は不正出血が続く間に生理予定日が近づいてきてしまい、もはや素人には不正出血か生理か見分けがつかなかった。

 
仕方なく私は、当日朝新施設長に連絡し、通院後に出勤しようと思った。

その日は仕事が忙しくない日で、職員数も余裕があったはずだ。ついている。

 
通院後に出勤は許可されたが、新施設長から「体調が悪いのですか?」と至極真っ当なことを聞かれて私は頭を抱えた。

 
…男性に、股から血が毎日止まらず出ています、とは言いにくい。
しかし、急に通院したいと言い出したからには理由がないはずがない。

迷った私は、薬の副作用が出ている、と伝えた。
遠回しだ。
実に遠回しで、結局は何がどう調子が悪いかがまるで伝わらない文章となった。

 
幸いにも、新施設長はそれ以上は聞いてこなかったので助かった。
バセドウ病の方だと思っているかもしれない。むしろ思っていてくれ。

 
そんなこんなでかかりつけの産婦人科に通院した。

姉が第一子を出産した産婦人科で、私はそれがきっかけでその病院を知り、もう10年以上そこでお世話になっている。

 
ピル処方時は受付にて伝えれば処方箋を出してもらえるため、年に何回か通院していても
診察自体は三年ぶりだ。
初めてピルを処方された頃ぶりなのだ。

 
受付にて診察希望を伝えると、予約の有無を聞かれた。
普段ピル処方時は予約なしで来ていたし、混んでいる印象もなかったので余裕綽々だったが
まさかの今日は予約が埋まっているという。

私は焦った。
どうしたものか。

 
だが、症状を受付事務の方に伝えると、「…かなり待ちますけどいいですか?」と言われつつ、無事診察札をもらえた。
ラッキーである。
やはり、ピルを三年飲んでいる人が二週間以上不正出血が止まらない件はなかなかにパワーワードなのだろう。

 
その後、祝日の次の日だったり、お正月休み明けだったこともあり
予約ありで来た人もいれば、予約なしで来て断られた人もいた。

問い合わせの電話も次から次へとかかってきた。

私の予想以上に産婦人科は混んでいた。
予約なしで受診できた私は本当にラッキーだった。

 
 
待つこと二時間、ついに私の番号札の数字が呼ばれた。
私は診察室に入り、一部始終話した。

 
医師「二日連続で薬の飲み忘れは?」

私「たまに一日くらいは飲み忘れありましたけど、二日連続はないです。」

医師「最近子宮癌検診は?」

私「秋に受けたばかりです。異常なしでした。」

医師「なんでだろうねぇ。」

私「謎の血ですよね。」

この産婦人科医の先生は話しやすい先生なので
ざっくばらんに話す。

 
医師「真咲さんが飲んでる薬は、うちの病院だと君しか飲んでないよ。なんでこんな高くてジェネリックでもない薬を飲んでるんだ?君は富裕層かい?あれは金持ちくらいしか飲まない高い薬だよ。」

突然の先生の告白に私はギョッとした。

 
私「えぇ!?私、ジェネリック希望って言ってませんでしたっけ!?保険証にもジェネリック希望シール貼ってありますよ。あれ、ジェネリックじゃないんですか?
先生が処方したんですよ、なんであのピルかは私にも分かりませんよ(笑)貧乏なんで安い薬にしてください(笑)」

ピルにはいくつかの種類があり、患者さんの状態に合わせて処方される。

 
医師「三ヶ月分でいくらだい?」 ※ピルは三ヶ月分処方される。

私「6000円だか7000円だか。いつも(他の病院でかかっている)バセドウ病の薬と一緒にもらっているですけど、確かそれくらいかと。」

医師「バセドウ病!?いつから?どこの病院にかかっている!?」

今度は先生が驚く番だった。

 
私「2023年3月からですね。○○大学病院です。」 

その大学病院と産婦人科が近いので、私は大抵二箇所分の薬を一気にもらっていた。

 
先生からバセドウ病の症状について聞き取りされた。
もしかしたら不正出血はバセドウ病の影響もあるかもしれないとのこと。
だけど、あまり深くは考えなくていいとのこと。

 
医師「しかしまぁ、いいタイミングだ。薬をジェネリックに変えよう。」

私「是非ともお願いします。」

よかった。
不正出血はよくはないが、このきっかけがなければ、私はこの先もずっと高いピルを飲み続けていた。
(※ピルは副作用がなければ、診察なしで受付で処方箋をもらえるため。)

ジェネリックだと金額は三ヶ月分で2500円くらいらしい。
今の半額以下だ。

 
しかし、そうなると今まで私はどれだけ損してきたんだか。
考えると落ち込んでしまうからあまり考えないようにしよう。

 
私がピルを飲み出した当時はピルは高いという認識があったし
これくらいが相場なのかとずっと思っていた。

周りの友達ともピルの副作用については話しても
金額について話したりはしなかった。

 
ただ、ピルを飲んで生理痛がかなり軽くなったのは確かだし
周りの友達何人かはピルが合わず、副作用で具合が悪くなって中断している。

生理(痛)が劇的に軽くなると思えば
月2000円は安いものだった。

 
だからまぁ、今まで損した、とは考えないようにしよう。
ピルで心身かなり楽になったことに変わりはないのだから。

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