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デンマークにて 9

この前この日記を書いたのはいつだったか。かなり前だった気がする。

今日は何を書こうか。書くことは山ほどある。ただなんだろう。いざパソコンを前にすると上手く整理できない。色々あったな…と深々頷くばかり。その色々、を書きたいんだけどな。

前期の半分が過ぎたらしい。もともとコロナの影響でかなり短くなってたのもあるけど、体感速度はカレンダーの数字の羅列以上に早い。ほとんどの人が今期しか取ってないから、終了と共にお別れになる。20人くらいは来期も取ってるのかな。ルームメイトのダニエルくんや他の友達も何人か残るらしいけど、やっぱりすでに寂しい。出会いがあって別れがあって、残酷だねえ。まだ半分残ってんですけど。

今週はテーマウィークってやつがあった。テーマはホイスコーレで使ってる歌集について。三日間それについての有難いお話とたくさんの歌を歌った。死ぬほどつまらなくて頭痛で死にそうだった。そもそもデンマーク語の曲を一曲歌うだけでも、日本の曲10曲歌うくらい体力を使うのに、それを毎時毎分毎秒の勢いで歌わせてくるので完全に脳が停止、いや脳死してしまう。やっと歌が終わったかと思うとお次はその曲の成り立ちだったりどういう意味で歌集に入れたかの話。死にたくなるよなそりゃ。

ちなみに歌集ってのは、ホイスコーレ(デンマークの中に何個もある学校連盟的なのかな、知らない)共通のもので、デンマーク人なら全員知ってるような曲と、かなり有名な英語の曲が数曲合わさったもの。英語はビートルズとかボブディランとか。まあ大体ビートルズっすね。

二日目か三日目にハイキング的なのをみんなでしたんだけど、やっとこの束縛から解放された!って喜んでたら旅先でもしっかり歌うことに。なんかスウェーデン語の曲も歌ってたな。僕は雑草と会話してましたけど。

二日目だったかな。それぞれ授業を選んで…って感じの午前中で(もちろん全部音楽関係の授業)、英語でやるって理由でインターナショナルなんちゃらってのを選びまして、ホイスコーレの歌集がインターナショナルといえるか、インターにすべきか、よりインターにするにはなにをするべきか、みたいなのを10人くらいで話したわけっす。まあこの授業でジャパニーズD治郎はかなりイライラしたんですけども、それを少しかこう。

連日のデンマークソング攻撃で普通に苛立ってたのもある。先に断っとく。ただこの授業の何が嫌だったかって、先生がインターナショナルと連発しておきながら、アジアの音楽について全く触れなかったから。別に差別とかではないし、アジアの音楽に対して高い誇りを持ってるわけでもないんだけど、ヨーロッパの曲(そんときはフランス、ドイツ、イタリアとかの話してたね)を歌集に入れるくらいのことを「インターナショナル」って呼ぶべきじゃなくね?と思ったわけ。ほんとにインターナショナルにしたいならアルファベット使わない国の曲入れてみろよ、と。

なんか苛立ったというか孤独感の方がどちらかというと大きかった。いろんなインターナショナルがデンマーク語やだ!英語疲れる!とかほざいてるけど、お前らの母国語も似たような形した文字使ってんだろ…とよく思う。悲劇の主人公になりたいわけじゃないけど、こっちはアルファベットからかけ離れた気色悪い文字使って生きてるんだよ…と心の中で嘆くこともある。

ちょっと話が逸れたけど、まあとりあえず、ヨーロッパの人に取っての「インターナショナル」ってのは所詮アメリカとヨーロッパ全域のことを指すのかな、なんて極端な思考が授業中に頭の中をぐるぐると回っていたわけだ。日本にいたときは全く日本の曲を聞いてなかったくせに、こっちきていきなり日本の音楽に対して愛着が湧くなんて都合良いなとも思うけど、仕方ない、それが母国ってやつよ。

三日間の修行のような日々が終わり、昨日の夜はたくさん飲んだ。四、五人でスーパーに行ってビールとポテチをたくさん買って、音楽聴きながら湖のほとりで寛ぐ。良い時間だった。2200くらいまで明るいのも非常に良い。夜遅くまで外でのんびり湖を眺めながら酒を飲める。いろんな話をした。みんな将来どうなってると思う?みたいな話をしたときに、みんな僕はタトゥーアーティストになってるって言ってたから目指そうかな。喫茶店兼タトゥーショップしたいんだよな。真面目に。

湖から帰ってきて、フレンチガールの部屋で結構前に買ったクソまずいワインを頑張って空けた。

こっちにきて何回か吐いた。でも二日酔いにはなってない。

奇跡だ。

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