続きです。未読の方は、その1からお読みください。
しつこいようですが突入の前に最終確認をします。クライアントに安心してワークしてもらいたいから懸念点はなくしておきたいのです
この答えは想定内です。なので
僕は提案しているのです。
その子の声を聞いてみようよ
、と。
幼稚園の時に嫌な思いをして、「女の子みたいな格好するの嫌だ!」と言っている子に寄り添って、
「本当はどう生きたいの?」と問いかけよう、と。
そして、その答えを大切にしながらも、ご主人と幸せに生きていけるような道筋を探そう、と。
でも、クライアントは「それでは主人の中に満たされないものがあるのではないか?」と懸念しているのです
とは言え僕の提案は変わりません。お互いの幸せのためには、まずは自分の内なる声を聴こう!!その上でご主人とうまくやっていける方法を探そう。。。
あなたが苦しみながら、内側にいる自分をないことにしながら、幸せに生きていくことは難しいのではないか??
そう思うのです
いよいよ突入です。
やれるだけの準備はした。クライアントもワークにreadyな状態になっています。
僕は声のトーンを変えます。確信に満ちた、穏やかだけども力強いトーンで、彼女に伝えました
後にこのセッションを振り返って、クライアントは言ってくれました
「あの瞬間、だいじゅさんが言ってくれた『安心して、私はここにいますから』が私の命綱になりました。だからあの怒りの中に入っていくことが出来た」と。
いよいよです。
クライアントは、内側のエネルギーの中に入って、それと同化しようとしています。
クライアントは、そのエネルギーに同調するにつれて、姿勢や表情を変えていきました。
椅子に座りながらも、脚を大きく開いて、肘をつきます。頭が深く垂れていきます。
ガラの悪い男が、怒りを溜め込みながら周囲を威嚇している。。。そんな雰囲気です
僕は「主体的に感じていくよ」と声をかけています。これは重要な声がけです。クライアントは、飲み込まれていくのではなく、主体的に、それそのものになるのです。
意識的にそれを感じて、自らの意思でそれになりきるのです
クライアントが飲み込まれかけたので、深呼吸するようにとインストラクションをしながら、バランス調整をします
飲み込まれることなく、しっかりとなりきる。そのバランスが大切なのです
クライアントはさながら猛烈な嵐の中を飛行する新人パイロットのようです
僕はその様子を感じています。一緒に。。。
そして、次の瞬間
繋がった!行ける!
そう確信しました。だから
クリアに繋がれました。素晴らしい。コーチはそのエネルギーに同調しつつ言葉を繰り返してクライアントを支えます
でも想定よりエネルギーが大きい。セミナールームでやっていたので、隣室への影響が気になります。
途中でノックでもされたら、セッションが台無しになりかねない
なので
エネルギーには繋がりながら、声量は落として関わります。そうすることで良い調子にクライアントの声量も下がりました。
クライアントは却って繊細に感覚を感じられているようにも見えます。
コーチは「奥にある虚しさ、悲しさ」などと言って、怒りが二次感情だとした場合の一次感情の存在を示唆しています
コーチはクライアントの代わりにクライアントと同じエネルギーで、クライアントの言葉を繰り返しています。そうやってクライアントの探求が深まるのをサポートしているのです
そして「男の子」が出てきました。
クライアントは意外そうにしています。僕にとっては想定内でした。僕は「男の子以前、女の子以前の自然な子ども」の登場を予測していたので。。
ここでやっと踊り場に出ました。突入してから7分。クライアントはよくがんばりました。
いないことにされていた子どもに出会って、そのニーズを聞くことができたのです。
「無理矢理形を変えようとしないでほしい」
「十分にスペースがほしい」
そのニーズがクライアントに受け止められた時、不思議なことですが、彼女の内側にスペースが生まれたのです
僕は追体験をしようとしています。クライアントの無意識が差し出してくれた体験にただついて行きたいのです。
僕たちがそのような態度を取ると、無意識は次の展開を示してくれます。それにまたついて行く。
そうやって行き着くところまでくっついて行くと、そのプロセス全体が、人生とは何かについてを教えてくれるものなのです。
だからただクライアントの無意識の物語について行きます。全身で。。。夢中に映画の展開について行くように。。。
物語をさらに展開させるために誰かと接点をつくりたかったのです
親でも兄弟でも、先生でも、誰か友達でも。。クライアントの無意識は誰を呼び出すんだろう。。。
クライアントは穏やかな表情で目を閉じ、深い呼吸をしながら、無意識からの答えを待っています
僕は深い感動を覚えました。すごいところから出てきたな、高校の校長先生だってさ。。。
ありのままで生きることを誰にも認めてもらえなかった幼稚園児が、
「あの先生なら遊んでくれそう」
って思えるような高校の校長先生。そんな人がいたんだ。クライアントの人生に。。。よかった。。。
そしてこの校長先生の存在が浮かび上がってきたことで、セッションはここから急速な展開を見せることになります
続く
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