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2024年3月三越劇場『ステンドグラスと二つの贖罪』脚本|企画文芸家|ブランドエクスペ…

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2024年3月三越劇場『ステンドグラスと二つの贖罪』脚本|企画文芸家|ブランドエクスペリエンスデザイナー|謎解き演劇脚本家|ミステリーナイト®など構成作家|本格ミステリ作家クラブ会員|note4マガジン|

マガジン

  • 観客参加型演劇クリエイションメモ

    これまでの作品リストです。 https://daika21c.wixsite.com/daika-web/mystery-works

  • 勝手にウラ読み観劇レポ

    お芝居の脚本や演出の効果について、ひとりの観劇者として、いろいろ推理します。小説でなく演劇ですから、物語解読ではなくて、脚本はなぜそう書かれたかとか、なぜあの演技があったのか、など演劇的な解読がしたいですね~。

  • 小説読みながらイロイロ考えた

  • ブランドエクスペリエンスに関するメモ書き

    最近のニュースや業界動向から想うことや、かつて自分が携わって仕事など、エクスペリエンスデザインについて、いろいろな方向に転がして、攪乱したいです。

  • 勝手にウラ読みシネマ

    映画を観ながら、どこか醒めた頭の片隅で(記憶の中に刻まれた)過去の映画ワンシーンとの共鳴を楽しんだり。いままで観てきた映画を再鑑賞して、ときどきの自分の中での反応の変化を楽しんだり。映画体験と最近思っていたことのリンクだったり。映画体験から派生した日常の小さな事件だったり雑念だったりを綴ってみたり。

最近の記事

「ほかならぬ人へ」 白石一文

この小説を読み終わったあとに凍り付くような「ある淋しい感覚」を覚えて。この淋しさの正体がどこにあるのか、物語を運んでいる作者の筆致と構成にあることは確か。わたしなりに分析してみたい。 東海さんの年齢の記述祥伝社の単行本でいうと、p5-p179で終わる小説の「第0章」では、名家に産まれた主人公「宇津木明生」の出自と、彼が池袋のキャバクラ嬢だった「なずな」を見初めて結婚した顛末を辿る、いわば登場人物紹介の章。第0章の最後は、明生がなずなに結婚から二年足らずで裏切られたと記して締

    • 「ダークマスターVR」~ 観客のリアルを操縦する演劇~

      どっから語ろうかな~。もう、語ることが多すぎて困ってしまう。 1.観客のリアルを操縦する演劇ぼくたちはコロナ禍の中での演劇の存続を考えてきた。いま演劇は、人との接触に神経を尖らせて(三密回避に腐心して、換気と入場制限をかけながら)作品を提示し続けている現状だけれど、果たして本来の演劇らしさを保っている公演はどれくらいあるのか。オンラインリモート公演や人数の疎らな大劇場公演は、どこか本来の演劇らしい「核」を多少なりとも弱めたり失いながら興行を続けているものではないのだろうか…

      • 劇場配信「無観客ライブ」は観客自ら没入感を高めよ

        6月に入って、ようやく劇場に灯がともった。制限付きの灯であるが、本多劇場グループを初めとして次々と無観客公演がリリースされた。 わたしも早速、本多劇場「DISTANCE」へ、久しぶりに劇場を感じたい、その思いで(オンライン上で)劇場に向かうことにした。 演劇人も観客も一日もはやく演劇が元の状態に戻ってくれることを切に願っている。だから、無観客配信という形ではあっても、劇場に灯がともったことは前進だし、幸せな気持ちになれた。劇場で生で観る本来の演劇体験とは異質なものであった

        • 電話会議で小津ごっこ

          最近「TEAMS会議」や「ZOOM飲み会」を重ねていて、ふと面白い感覚にとりつかれる。あっ、いま小津映画の登場人物(※)になってる。 いま電話会議において、我々はPCに取り付けられたカメラを見るべきか、それともモニターに映る相手の目を見て話すべきか、 それが問題なのだ(笑) PCカメラは、言わば話し相手がコチラを見つめる「相手の視線」である。だから相手の目に向かって、コチラの視線を届けようとすると、コチラはPC上部に設置された無機質なPCカメラを注視することになる。すると

        「ほかならぬ人へ」 白石一文

        • 「ダークマスターVR」~ 観客のリアルを操縦する演劇~

        • 劇場配信「無観客ライブ」は観客自ら没入感を高めよ

        • 電話会議で小津ごっこ

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        記事

          「笑顔の砦」覗き見た、笑顔と孤独

          ※『笑顔の砦 RE-CREATION』2019年@KAAT観劇+オンライン再視聴。以下の記事ではWEB動画コンテンツなどURL引用しております。公演内容もネタバレしています。 日本海にある漁村(白浜漁港あたりか)にある古ぼけた平屋建てのアパート、そのの隣り合ったふたつの部屋に住む住人。観客はふたつの部屋で営まれる「生活時間」を同時進行で視野におさめることができる。ふたつの部屋をあるときは対比的に眺め、ある時は同調シンクロするように感じながら眺める。 1.『覗き見』を意識さ

          「笑顔の砦」覗き見た、笑顔と孤独

          横転すると変態する「転校生」

          大林宣彦監督の「転校生」の話の前に―――。 そう言えば、「君の名は。」観た直後に、わたしは誰かに無性にアレを語りたいと思いながら、核心からずれた他のことを語っていたばかりに、アレを語りそびれていた。語りそびれて忘れかけていた。あの日、わたしが語りたかったことを今日は自ら解き明かしたい。。。 「君の名は。」で横転する三葉「君の名は。」で主人公の三葉と瀧は人格が入れ替わるわけだが、映画の後半に目を見張る、こういうシーンがあった。 【三葉は言わば “時をかけてしまった少女“

          横転すると変態する「転校生」

          太陽を盗んだ男|変わる味わい3度目鑑賞

          本日の巣ごもりシネマは『太陽を盗んだ男』1979年長谷川和彦監督。通称ゴジ監督渾身のテンコ盛りエンターテインメントを、本日コロナ感染者3桁になった東京にて家族3人巣ごもりシネマ。我が家の新中1生は新生活の期待に胸を膨らませていた中学のHP上掲示板にて本日、「今年の入学式はなくなりました。GW後までは学校に来てはいけません」と告知されて朝から気力低下気味。そこで70年代のパワフル邦画を!と思い立ち……。 この映画を観るのは3度目である。映画は時を置いて再鑑賞すると、前回とは違

          太陽を盗んだ男|変わる味わい3度目鑑賞

          「市ヶ尾の坂」勝手に裏読みレビュー

          岩松了の作品は、どんなに深読みしてもしきれないほどの、いろいろな物語に満ちている。想像を広げたくなる補助線が沢山ある。観客ひとりひとりが勝手なイメージをいろいろと拡げていける仕掛けと余白がある。ということで、今回の「市ヶ尾の坂」も思わせぶりな台詞の応酬を聴きながら、私なりに紐解いて裏読み、拡大解釈(もしかしたら誤読)しまくろうと思います(^^) 以下はネタバレばかりです。観劇し終わった人しか読む意味ないし。 1.幸せだった日の母の面影(ラストシーンの解釈) 画家の朝倉の

          「市ヶ尾の坂」勝手に裏読みレビュー