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【10周年】君は『覇王鬼帝』を覚えているか?【夏ゲー】

あれから10年。覚えているだろうか?あの戦いの日々を……。

ゲームライターマガジン7月のテーマは「夏ゲー」。
ならば10年前の夏である2010年7月15日に発売されて話題となり、色んな意味で夏の日差しより俺を熱くさせた、あのソフトを取り上げることにしよう。

https://note.com/kawapi/m/mf6167682c80c

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『ブロッククラッシュ』シリーズのはじまり

そう、今回取り上げるのは2010年7月15日にPSPで発売され、今年10周年を迎える『ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123! ! 』と、そのシリーズ作品である。

http://www.with-kitty.com/characters

まず当時、サンリオの子会社であるサンリオウェーブが『ハローキティいっしょ!』という企画を展開していた。これは色々な有名イラストレーターにキティ好きな女の子「超キティラー」を描いてもらうというもので、プライズなど様々なグッズが登場した。okamaがキャラデザを担当した「猫村いろは」は後にボーカロイド化も果たしたので有名なところかな。

そして、その一環としてドラスから発売されたゲームが『ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123! ! 』だ。

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地獄過ぎてパワーワードが続々と誕生!初代『ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123! ! 』

https://www.dorasu.com/pc/game/psp/kittyblock/

内容は123ステージ構成のブロックくずし。キティラー毎に異なるルールのステージが用意されていた。ストーリーや会話デモなどは一切なく、ゲームを進めるとカレンダーや時計、壁紙がアンロックされる。まあ、使われている絵は既出のものばかりで、描き下ろしはゼロ枚だったんだけども。

2010年当時でもかなり珍しい「パッケージで4800円のブロックくずし」。
俺はブロックくずし好きだしキャラも可愛かったので買ってみたのだが、ちょっとした地獄への片道切符になってしまったね……。

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飛んでくるボールをパドルで撃ち返してブロックを壊す。

基本的にはいたってオーソドックスなブロックくずしなのだが、まず苦しめられるのがボールの挙動。「なんでこんな反射を?!」と言いたくなる動きを度々するので軌道が読み辛い上に、パドルの端にぶつかると上の画像のように、斜め下に反射されてそのままミスになることも多い。

そしてこの手のブロックくずしではよくある「ボタンを押してのパドル高速化」もできず、基本のパドルスピードもそこまで早くない。ボールの角度が読み辛くてなかなか追いつけないのに、追いついたら変な反射でミスが頻発!

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それだけならまだ良かったが、悪意すら感じるステージ構成がひどい!上のキャラのステージは「つぼみにボールを当てれば花が咲いてクリア」が基本ルールなのだが、そのつぼみを、複数回当てないと壊れない堅いブロックを敷き詰めてガード!

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砲台ブロックが大量に置かれてて弾をバンバン撃ってくる上に、パドルに命中すると即死!

……など、とにかく遊んでいて苦行染みたステージが満載。ボールを50発ぶつけないと倒せないボスステージなんかもある。嫌がらせかよ!

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今も伝説になっているのが水無瀬シズクの最終ステージ。

ボールをぶつける度に向きが変わる矢印ブロックが6個あり、
すべての矢印ブロックを特定の方向に揃えればクリア。
破壊不可能の砲台ブロック4つ付き。

というもので地獄ッ!矢印ブロックの向きは上下左右の四方向あるし、一度正しい方向にしてももう一度ぶつけるとまた向きが変わっちゃう。そして前述のパドルとボールの挙動である!
当時クリアしたけど本当に苦行の運ゲーでしたよ……。

そんなゲーム内容で、可愛いキャラのブロックくずしと思って手に取ってみると、理不尽ルールでボッコボコにされるという、毒を持った食虫植物のようなゲーム。あまりの鬼畜っぷりにハローキティをもじって「覇王鬼帝」などとパワーワードで呼ばれる始末。当時のクソゲーオブザイヤーを大いに賑わせた作品だ。

敵が弾を撃ってくるブロックくずしや、変なギミックがあるブロックくずしは珍しくないんだが、調整の理不尽さでこっちを苦しめてくる。
「崩すのはブロックではなく絶望」とでも言うべき作りで、可愛いキティラーたちを題材にしたゲームなのに、遊ぶとキティラーたちが、地獄からの使者みたいに思えてくる問題作だった。

ただ、「1ステージが短い」「何度でもリトライ出来る」「リトライが早い」という長所もあり、このおかげで「ザッケンナコラー!」と激怒しつつ、つい何度もやり直してしまうゲームにもなっていた。

ここ本当に重要なところで、作りが理不尽でもテンポが良くてリトライが早ければ遊べちゃうんだよね。なんだかんだで挑むプレイヤーが多かったのはこれが大きかったと思う。

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