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一強状態

 夏の季節、世間は第101回全国高等学校野球選手権大会の話題で持ちきりだ。選抜出場校が初戦で夏を終えたり、代表校予想を外したり、好きな球児の写真を撮る女の子がいたり、人々は高校野球の試合風景や結果を見て一喜一憂している。今日も高校球児が甲子園の切符をかけて命懸けで戦っている。地方大会も大詰めとなり、大半の都道府県の代表校が決定しているところだろう。


〇一強状態なのはどこ?

 本日(2019.7.28)、福島大会が終了した。優勝したのは聖光学院。伊達市に存在する私立校だ。福島大会13連覇という戦後最長の選手権大会連続出場記録を持つ。栃木大会も本日終了した。優勝したのは私の母校でもある作新学院。栃木大会9連覇である。聖光学院の13連覇には及ばないが、こちらも一強状態を象徴する結果となっている。現在この2校に関しては、最早何処が泥を塗るのかといった状態である。

 現時点で高校野球の地方大会で一強状態になっているのは福島・栃木・埼玉・和歌山・徳島・高知の6県である。埼玉大会5連覇中の花咲徳栄や、8連覇の智辯和歌山(2012年まで和歌山大会連覇が続いていたが最近は市和歌山が対抗している)、鳴門の5連覇(2017年に連覇が途切れるも、翌年選手権に出場)、明徳義塾の9連覇(2018年に連覇が途切れるも、翌年選手権に出場)が一強状態である。ベンチ入りできるかはともかく、この学校の野球部に入部さえすれば卒業までに2~3回は甲子園球場に連れていって貰える計算だ。

※勿論甲子園に行くのは簡単では無いし、厳しい練習にも耐えなくてはならない。間違った努力をしてしまえば早期敗退も十分有り得る。


一強状態の背景

 一強状態になるのは必ずしっかりとした理由がある。まず、他の学校がまともに結果を出せないことが原因であるということ。例えば私の住んでいた栃木を挙げると、作新学院が低迷していた時期は宇都宮南・佐野日大・文星芸大付(旧:宇都宮学園)・白鴎大足利・青藍泰斗(旧:葛生)が入れ替わり立ち替わり甲子園に出場していた。作新学院が低迷していた31年の間に、夏の甲子園で8強入りできたのは2001年の佐野日大だけである。4強入りはできず、あとは1勝をするのが精一杯であった(春は一冬越しても全く伸びないチームと対戦する機会がある為それなりに勝てた)。2000年代後半は文星芸大付や白鴎大足利の私立組がしのぎを削って甲子園出場の切符を争うも、同じ相手に2年連続で負けたり、長崎の公立校に3-11で大敗したり、いずれも試合を見る県民が高校野球を楽しむことができない結果に終わった。

 その中で2009年に作新学院が遂に31年ぶりに甲子園出場を果たした。結果は初戦敗退だったものの、8-10というスコア。作新学院の対戦相手が2勝を挙げたことにより、明らかに前の年に大敗していた他の私立とは違った負け方だった。その翌年に佐野日大が出場するが、関東第一(東東京)に2-9で散発5安打負け。やはり作新学院は他と明らかに違うというイメージを県民に植え付けることができた。その後はずっと作新学院が連覇をしている。

 今回は栃木を例に挙げたが、福島も戦績を見る限り似たような背景がある。このように、一強状態になるのは必ず理由があるのだ。

〇聖光学院がコケた!

 今となっては聖光学院一強状態の福島だが、2006年夏に聖光学院が福島大会3回戦で敗れる波乱が起こった。本命がいなくなった福島大会を勝ち抜いたのは光南だった。しかし、甲子園球場で悲劇が起こる。対戦相手は清峰(長崎)。その年の選抜準優勝校に3-22と記録的な大敗を喫する。この結果をみて、大半の県民は、勝ち星をしっかりと挙げ始めた聖光学院に高校野球を託したという。


〇代表校にケチをつける人達

 地方大会を5連覇した辺りから現れるのが、「また〇〇か」と優勝したことを祝えない人達である。代表校に何かしらケチをつける人達ともいう。福島で言えば「また聖光学院か」である。

 一強状態になるのは、先述のように「まともな試合ができるから」なのにそれを善しとしない者が現れる。そうなった背景をしっかりと自分で調べてから物申して欲しい。私が福島県民なら、一強状態を嫌ってまで折角全国の場に出たのに大敗してふて腐れる球児をTVで見たいとは思わないし、優勝したことを祝えないのはやはりその学校で死に物狂いで甲子園を目指している球児に大変失礼である。光南の悲劇を見たくなければやはりある程度勝てる学校に期待を寄せるべきである。勿論自分が真に応援する学校が甲子園に来たら大いに喜んでいいが、毎年同じ学校が甲子園に行くのに対して「また〇〇か」と言い出すのはやはり良くない。


〇終わりに

 言うまでもないが、甲子園に行くのは簡単ではない。一強状態の県でも毎年違う対抗馬が現れて、負けそうになることが何度もある。連覇がかかっている球児の精神的苦痛も半端なものでもないので、やはりどんなにその学校が気に入らなくても連覇を死守したことに関しては素直に褒め称えてあげた方がいい。貴方はその精神的苦痛に耐えられるだろうか。今一度よく考え直して欲しい。

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だいき

作新学院2014卒。高校では硬式野球をしていました。高校卒業後は大学で空間デザインを勉強し、現在は建設会社でまちづくりニュースやマンガ絵を描かせて頂いています。趣味は野球をすることと絵を描くことです。
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