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海外に全然行ったことが無い自分が海外工場で技術指導!?

連載企画「ダイキアクシスグループ海外工場立ち上げ・運営の裏側に迫る!」
新しく建設されたインド工場ですが、工場が出来れば製品が出来る訳ではありません。製品を作る従業員、そして製品を作る為の技術と知識が必要です。
今回は海外経験が全く無い中、インド工場で技術指導を行った相原さん、高間さんにお話をお聞きしました。


まさか自分が海外へ!?

日本での普段の担当業務と、インド工場での業務ついて教えていただけますか?

相原さん:津島工場で、浄化槽やディスポーザ排水処理槽の組立業務を行っています。インド工場では現地の作業員に対して技術指導や浄化槽の組立作業を行いました。

高間さん:松山工場で、カプセル浄化槽の製造や上水機器の組立業務などをしています。インド工場では浄化槽組み立ての技術指導を行いました。

ちなみに、お二人はこれまでに海外に行ったことはありましたか?

相原さん:社員旅行でシンガポールに行ったぐらいですね。その他は行ったことは無かったです。
高間さん:私も社員旅行と仕事に関係なくバリ島に行ったことがあるぐらいでしたね。
相原さん:所属長から言ってほしいと伝えられたのですが、正直「自分が!?」という感じでした。自分が行って出来るものなんだろうかとか…
高間さん:私もそうでしたね。
特にインドで製造している円筒FRP槽は自分が普段担当しているものではなかったので。向こうでしっかり教える事が出来るように日本の工場で勉強してからインドに向かいました。

現地従業員に説明を行う高間さん(右上)

言葉が通じない中で忍耐強く、分かってもらえるまで何度も何度も教えた

インドで浄化槽の技術指導を行った時の事について詳しく教えてください

高間さん:FRPについて全く知識がない状態の人に教えないといけなかったので、基礎から教える必要がありました。
例えばFRP自体が日本で言うと危険物にあたるので取り扱いの注意点などを伝えたり…本当に教える事がたくさんありました。
相原さん:最初は15人ぐらいの人に対して作業ごとに班を分けて指導しました。その後、その15名の方にリーダーになってもらい各チームを指導してもらう形で進めていきました。今は40〜50人くらいの人が製造に携わっています。
高間さん:浄化槽を作る人も今まで浄化槽というものを見たことがない人達ばかりなので、インドネシア工場から完成品を持ってきて、それを見て勉強してもらいました。
また日本では外注しているパーツもあるのですが、インドではパーツから全部作っているので、そこも大変でした。
さらに機械も日本と同じものではないので、使い方を理解するのにも苦労しましたし、壊れても修理もすぐには出来ないし、部品を届けて貰っても注文したものと違うものだったり…。
インドで探しても手に入らない物は2回目に行く時に日本から持っていきましたね。
相原さん:あとは言葉の壁という部分でもやはり苦労しました。
通訳を通しての伝達事項でも、本当に通じているのか?理解しているのか?確認して「YES」と相手が返事をしても、言った事と違うことをしていることが多々ありました。
日本人とは違い自分が理解していなくても「YES」と答えるのがインドでは当たり前という文化であり、苦労しました。

現地従業員に説明する相原さん(右手前)

インドの方に教える上で工夫した事はありますか?

高間さん:分かりやすく言ったつもりでも中々理解して貰えなかったので、何回も何回も伝えました。さっき教えた事と違うことをしていても怒ることなく、同じように教える感じですね。
海外の人の気持ちは分からないので「そういうものなのかな」と思ってひたすら教えました。
相原さん:怒るのが正解か、褒めるのが正解かって所があるんですけど、怒って上手くいくようには思えなくて。もちろん怒らないといけない所は怒って、褒めるところは褒めるのは日本も海外も一緒ですが、怒って「アイツの言うことなんて聞かない」と言われたら元も子もないですし。それに自分も怒る性格ではないので。
分からないなら分からない、忘れたなら忘れたと言って貰えるようになった方が次にも繋がるし、教えるこちらの気持ち的にも楽になりますからね。

インドに行ってから大変なことをあまり大変だと思わなくなった

インドの方の印象やインドに行ってからお二人の考えが変わった事があれば教えてください

相原さん:インドの方は適当な部分は適当だけど、こだわる所にはとてもこだわるという所がありますね。あと、日本の「だいたい」とか曖昧なニュアンスは伝わらないです。
高間さん:最初の頃は道具も使ったことないものが多かったからか、上手く使えなかったらその辺にある石とかでどうにかしようとしたり…レンガ持ってきたりとか…(笑)
そこは根気強く教えていって最終的には問題なく作れるようになりました。
相原さん:インドに行ってから変わった事と言えば、インドに行ってからは、あまり大変な事を大変と思わなくなりましたね。
高間さん:確かにそうですね。私たちの間ではそういう大変な事を「イベント」と呼んでいたんですけど、毎日イベントが起こるんで…
日本だとちゃんとできているからそんなイベントは無いんですけど、インドは一筋縄で行かないことが多すぎて。
計画通りには全くいきませんし、ある程度予想はしているんですけど、それ以上の事が起こります(笑)
けど最近は慣れてきて、それなりの対応が出来るようになってきています。
相原さん:確かに慣れてきて逆に一日何も起こらなかったら「今日は何も起きなかったのか」と思うくらいになってますね(笑)
高間さん:何か起こっても冷静でいられるようになりましたね。落ち着いて考えられるようになったというか。

円筒浄化槽の組立風景

仕事以外で印象に残っているエピソードはありますか?

相原さん:3月にインドの有名なお祭りHoli(ホーリー)を体験した事です。誰彼構わずカラフルな粉を塗りあったり、色水を掛け合ったりして『ハッピーホーリー!』と言って賑やかにお祝いをします。
町のいたるところでやっていて、スーパーの店員とかも汚れている感じでしたね。
Holi当日は工場も休みだったんですが、Holi前日は工場でも仕事が終わった後、みんなで楽しく塗りあったりしましたよ。

Holi(ホーリー)の様子

高間さん:私は職場でのクリケット大会ですね。工場チームとオフィスチーム、営業チームで分かれて3チームに分かれて対戦したんですけど、バットが重くて大きくて難しかったです。
インドで1番人気のスポーツなだけあり、インドの方々は皆さん上手にプレーしていました。結果工場チームとして優勝する事も出来て貴重な体験になりました。

クリケット大会の様子

高間さん:あとは初出荷の時はココナッツを割るという儀式みたいなのがあって…ココナッツを地面に叩きつけて一発で割れなかったら、今後上手くいかないみたいな。
責任重大じゃないですか(笑)
だから自分の番が来たら凄く緊張しました。割れなかったらどうしようって。
無事割れましたけど(笑)

ココナッツ割りに挑戦する高間さん

相原さん:何人か代表がやったんですけど私も「日本人としてせっかくなんで」とやらせてもらいました。
私は力入れすぎて粉々になりました(笑)

ココナッツ割りに挑戦する相原さん

今後の目標について

相原さん:初製品はやはり日本で作成する時と比べると物凄く時間がかかってしまいました。
今はみんながむしゃらにやっている感じなんですが、こういう風にしたら楽だしスピードも早くなるよというのを伝えていきたいと思っています。
あと個人的な目標としては今後、この貴重な経験を活かして様々な分野に挑戦していきたいです。
普段の業務でも違った角度からの意見や考えなどを取り入れて国内・国外問わず活躍していけるように頑張っていきたいです。

高間さん:今後は品質も上げつつスピードも上げていきたいですね。
今後の海外工場新設の時の良いモデルになる様な工場を目指して指導していきたいと思います。

初出荷する浄化槽の前でインド工場のメンバーとの記念写真


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