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「やまぼうし」の実でジャムづくり

「やまぼうし」はご存じですか?
日本の本州、四国、九州の山野に自生する落葉高木で、樹高は10mに達します。春には花、夏には瑞々しいグリーン、秋には紅葉と、一年を通して楽しめるため庭木としても人気ですね。
温泉山荘だいこんの花の一万坪の森にも、この土地にもともと自生していたやまぼうしの木があります。

では、やまぼうしの「実」が食べられることはご存知でしょうか?

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やまぼうしの花が咲くのは初夏、6月~7月頃。

初夏には涼しげな花(正確には白い部分は総苞片という葉で、花は真ん中にある緑の部分)を咲かせ、目を楽しませてくれる「やまぼうし」ですが、夏が終わり秋を迎えようとする頃、可愛らしいやまぼうしはこうなります。

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・・・・・・。

見てください。この毒々しい感じ。
サクランボの出来損ないみたいな・・・。(サクランボに失礼ですが。)
気持ち悪い。
(可愛いと思うスタッフもいますので、感じ方は人それぞれでお願いします。)

でも、このやまぼうしの実、じつは食べられるのです。
試しに食べてみたところ、熟したタイミングを間違えなければ、青臭さや酸味はまったくなく、マンゴーみたいな味で(マンゴー程の甘みはないものの)、想像以上に甘い!

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そうと分かれば、ほっとく訳がない私たち。
試しにこのやまぼうしの実でジャムを作ってみることにしました!

適度に熟している実をひとつひとつ収穫していると、
「ピーィィィ」、「ピーィィィッ」とヒヨドリに威嚇されます。
どうやら森の生き物たちの大切な食料みたい。
ごめん。ちょっとだけ分けてとヒヨドリにお願いしながら(戦いながら)
必要な分だけを収穫できました。

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では、さっそくジャムにします。

赤く、気持ちの悪い部分は固い果皮で、そのなかに果肉と数個の種が含まれているので、それらを取り除くために実を潰します。

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潰したあとは、濾します。

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今回の試作では果肉感が残らない程まで濾してみました。
(そもそもの果肉が少ないから残せない…。)
そして、濾し終えたジュースに砂糖とレモン汁を加え、鍋で煮詰めます。

で、出来上がったのがこちら!

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おぉ!赤い果皮がなくなって、美味しそうに見える!
(夢中になって煮詰めていたので、写真は撮り忘れました。)
煮詰め終えたら氷水につけて冷まします。

では、お待ちかねの味見です!

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えっ、美味しい!

あの見た目からは想像しがたいけど、フルーツ感もあって美味しい。
砂糖が入っているから甘いのは当然だけど、今回は一般的なジャムづくりで使う砂糖の量より少なめの、全体量の30%程度しか入れていないのに「甘い」。
これはやっぱり果肉自体の糖度が高いということでしょうね。

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実(み)のときは結構な量がありましたが、可食部が少ないから、ジャムになってしまうとたったこれだけ。
最終的に料理長に味見をしてもらったところOKが出たので、朝食のヨーグルトにかけるジャムとしてご用意します。
たくさんの量をつくることができないので、不定期でのご用意となりますことを予めご了承ください。

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やまぼうしの実、またもらいに行くから、その時は攻撃してこないでね。
(ヒヨドリたちへ)

街路樹等として植えられたやまぼうしの実を食用されることは、その環境故にお勧めいたしません。また、やまぼうしと樹形や花・葉の形、色が似ている「ハナミズキ」の実は、食用に適しませんのでご注意ください。

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