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椿の花びらと少女

冬が終わり、桜が咲き始めた頃の話。
依頼を受けて家族写真を撮らせてもらいました。
自分は子どもと接するのが難しかったのですが、人懐こいいい子達だったので、すぐに馴染んで楽しく撮影できました。
公園に咲いている桜にはあまり目もくれず遊んでいる子ども達と、それを眺めながらのんびり話をするお母さんとおじいちゃん、おばあちゃん。
なんともほっこりする時間。

子どもが自分に向かって駆けてきた。
なんだろうと思って子どもに目をやると手には冬の終わりを告げる椿の花びら。
きっと落ちた花から花びらを外したのだろう。
それを見せてくれながら「ほら!」と声をかけてくれた。
あまりに綺麗で写真を撮らせてもらった。
きっと子どもも綺麗だと思って、それを誰かと共有したかったのだろう。
その共有したいという気持ちが自分に向けられたのが嬉しかった。
この一枚は今でも自分の宝物の写真になった。

少女が見せてくれた椿の花びら

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