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映画館でワクワクを

先週に引き続き、映画を観てきた。
めっちゃ満足!杉元は杉元だったし、アシリパさんはアシリパさんだった!
冒頭シーンから胸を掴まれた。
ナレーションには‥ナレーション引き受けてくださってほんとありがとうございます✨❗️っていう感じです。

そもそも原作は好きだから、今の自分に冷静な映画の評価は出来ないと思う。
原作未読の人にも勧められるか、とか、ストーリー展開がどうこう、とか。フラットな目線では書く自信がない。
私がnoteであまりB'zのことを記事にしていないのも同じ理由で、前提として〝好き〟があるので、面白かったり感動したりするのは当たり前だと思うから。
それでも、映画化を聞いた時はわざわざ観に行くつもりはなかったし、キャスティングを聞いて鼻白んでさえいた。実際、(映画化・実写化されて自分が見た作品は限られているけれど)キングダムもるろうにもそこまでハマらなかったし、ジョジョは観てさえいない。ネトフリの幽☆遊☆白書も見られる環境にあるけどまだ1話しか見てない。
今のところ有名な漫画の実写化で自分が「これは面白い!はやく最後まで観たい!」と思ったのは、『ワンピース』くらい。それはきっと原作に「こうでなくちゃ!」というような強い思い入れがなく、そしてキャストが日本人中心でなかったから、子どもの頃に観た「洋画」の感覚で楽しめたのだろうと思っていた(めちゃめちゃお金かかってるんだろうなという感じはした。原作のファンでコミックスを全て集めている夫が最後まで見ていたから、あぁファンでも納得したのねとは思った)。

今回はどうしても動く鶴見中尉と尾形が見たくて、ネットから漏れ聞こえてくる「原作ファンも納得」の声に押されるように観に行ってきたのだ。

結果、大満足だった!
観る前から「食わず嫌い」したらいけないなと反省‥。とにかく、出てくる全ての役者さんが、ハマっていた。
あの人もあの人も。〝漫画〟のあの役であり、そしてちゃんと〝映画〟のその人として動き、喋り、生きていたことに感心した。


漫画は、苦手なシーンはサラッと、好きなシーンはじっくりと、好きな速さでページをめくり、何度でも立ち止まって読むことができる。
アニメではそのキャラクターが動き、声を出す。音楽が流れて、30分なら30分の間、物語を体験することができる(これは映画も同じ)。最近のアニメはほんとどれも絵が綺麗だから、多少声のイメージの違いがあったりBGMを過剰に感じたりすることはあっても、アニメ化されたものを見てがっかりすることはあまりなかった。
でも実写となると、自由に飛んだり跳ねたり叫んだりしていたキャラクターたちが、(当たり前だけど)生身の人間になる訳で。この作品は登場人物が皆ぶっ飛んでるし、闘いのシーンも酷いし、野生の熊や狼との絡みもメインの一つ。それが中途半端に三次元になって興ざめしてしまうようなら、はなから観たくないと思っていた。尾形は尾形のまま、杉元は杉元のまま、アシリパさんはあのアシリパさんのままでいて欲しいのが原作ファンの心理だから(だから私は二次創作の世界もあまり好きではない)。


それが、冒頭の戦闘シーンからぐいぐい持っていかれた。
荒涼とした土地に無惨な姿で倒れている兵士たち。
漫画では、場面によっては脳内で補完して想像を広げるのに個人の限界がある。それが、映画だと説得力のあるスクリーンの音と映像で迫ってくる。203高地然り、北海道の大自然然り。
‥そうだった、(漫画の)あの人もあの人も、この戦争を経験したのだ、そしてそこから抜けられずに、北海道という土地で再び闘いを続けていってしまう人たちだった。杉元は最初から不死身の杉元じゃなかった。普通の青年だった。人を殺めなければ自分がやられるという極限の状況に置かれた。沢山の人間が殺し合い、幼馴染みの命が無惨に奪われた。思い浮かべると胸が苦しくなる。
でもこうして物語は始まり、舞台は北海道へと移っていく。
囚人の一人だった後藤が、雪に埋められ、こときれているのを見つけた時には、もう完全に作品世界に入り込んでいた。
熱いバトルあり、熊とのサスペンスあり、そしてコメディもあり。(熊穴から外を覗く目線のシーンはほんと怖い。)
白石が白石過ぎて思わず何度も声出して笑っちゃった。アシリパさんが初めてオソマ食べるところは他のお客さんも笑ってた。開ける口の角度まですごい再現度。
先週観たパーフェクトデイズとの振り幅よ。‥でもまぁ、ジャンルなんて、優劣比べるものでもないしね。
過剰なロマンスはなく、人間として信頼し合っていく杉元とアシリパさんの関係が清々しい。戦争を経験して変わってしまった自分を、自嘲はしても否定はせず覚悟を決めていく杉元がかっこいい。そしてまだこの段階ではほんの少ししか本性を現していない鶴見中尉からも目が離せない。ニヤリとしながら、脳から流れてくる〝変な液〟を拭き取る白いハンケチが美しい。

一つだけ難点を言うなら‥
物語が始まったところで、この映画は終わってしまうことかな。
こればかりは仕方ないけど、続きはWOWOWで!とか言われたら嫌だなぁ‥尾形の活躍はまだまだこれからだから。※
ほんのわずかだけれど杉元とやり合うシーンもしっかり堪能した。実写化の最大の懸念はキャスティングだと思うのだけれど、尾形は一番気になる、いわゆる〝推し〟にも関わらず、何も違和感なくカッコ良かった。冷たい印象の目元。しなやかで無駄のない動き。あのフードのついた白いマントを見ると、一挙手一投足見落とすまいとドキドキしてしまう。
彼はとても綺麗な手をしていた。
尾形と言い、ワンピースのゾロと言い‥なんて兄弟だろう!(ゾロもワンピースの中では一番好きなキャラクター。でもドラマのゾロもそれを越えてくるほどのカッコ良さでした。)


どれだけの予算がかかっている作品か分からないが、とにかく物語の魅力を余すところなく伝えてくる映画であることは間違いない。まだほんの少し顔見せ程度、あるいは全く出てきていない他のキャラクターや、少しずつ明らかになるアチャの正体とアシリパさんの成長、金塊の在り処とそれをめぐる男たちの(と敢えて書いてみる)ドラマを、結末を分かってはいてもしっかり追いかけたくなる映画だった。
もしかしたら、原作ファンも納得、と言うよりも、
原作ファンが、納得した映画作品なのかな‥
そこは分からないので、もし映画をご覧になった方で、原作(漫画も、さらに言うならアニメ化したものも)見ていないという方がいたら、感想を教えて欲しいです。

追記 :
平日朝イチ九時の上映、スタッフロールが流れ出しても、劇場にいた20名ほどの観客誰一人として席を立つ人がなかった。私はいつも館内が明るくなる最後の最後までその場にいるけれど、皆が同じってことはあまりないので、何だか嬉しくって。その場にいた人が皆、鑑賞しながら次への期待を残していた、ってことなのかな。

※追記② :
やっぱり続編はWOWOWなんだって‥さっき知りました‥🥲


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