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新しい時代の展望

 平成も31年で幕を閉じ、今年から皇太子さまが新天皇として即位され、新たな年号が始まり、名実ともに日本の新しい時代が始まります。新しい時代は、一体どのような時代になるのでしょうか。ここでは、その展望を考えてみたいと思います。

 まず、IT技術がさらに発展・進化し、より利便性の高いサービスや製品が出てくることが予想されます。AIの活用により、高度に自動化されたシステムが日本の経済を動かしていくことになるでしょう。社会経済システムをシステム論として考えた場合、そこにITシステムを高度に適用して利便性を高めることは、労働力人口が減少していく一方の日本経済にとって重要な視点です。人々は、サボるためにではなく、労働力不足という現実的問題から、高度自動化システムを活用せざるを得ない状況であると言えるでしょう。

 次に、少子高齢化の問題を見てみます。医療の進歩により、寿命がのび、社会の高齢化が一層進展します。それに比べて、若年層の割合が低いので、社会の人口構成がいびつになっています。少ない労働力人口で多くの高齢世代を支えなければならない構造的な問題を現代日本は抱えています。かくいう私も、現在40代前半ですから、あと20年もすれば立派に高齢世代の仲間入りというわけで、この問題は決して他人事とは言えません。文筆業で生計を立てたいという希望はありますが、なかなか専業とはいかないのが現実です。しかし、こうやって少しずつでも文章を綴っていれば、いつかはその状況が実現すると考えて、いろいろ試行錯誤しているところです。私の現状はさておいて、この日本のいびつな人口構成を改善することができるかどうかは、子育て環境の改善・日本経済の回復と継続的発展・結婚を後押しする社会環境の雰囲気といった、さまざまな要素が絡んでいます。現代日本人の意識構造は、若干時代に対して悲観的になっていますから、新しい時代になるのを契機に、意識構造の改善を検討する必要もあると思います。

 私は、新しい時代の重要な要素の一つは、「人々のつながり」というより情緒的・感情的な部分を見直すことではないかと思います。最近は、「孤独死」や「社会からの孤立」「仲間はずれ」「差別」「いじめ」などのマイナスのキーワードがニュースをにぎわすことが多いですが、そういったネガティブな要素が現代日本の人々の心理に対して無意識に悪影響を及ぼしていることは否定できません。経済的な充足感と、心理的な充足感が両立してこそ、社会の健全性はより質の高いものになると思います。人々のQOLを高めるために、私達は何をすることができるでしょうか。少なくとも私は、将来に関して明確なビジョンを提示し、日本の社会経済システムのさらなる改善を促すことによって、それは実現されると考えています。方法論はいろいろありますが、全体のイメージを明確にすることにより、より確実な方法論に落とし込むことができるのです。この工程は、数理的に考えれば、パラメーターを調整し、解の条件を満たす最適解を見つけることにほかなりません。各要素を適切に分析しつつ、その最適なエネルギー軌道を見つけ、より安定な基底状態にするといったイメージです。そうやって、良い状況を一回現出できれば、あとはそれを適切にメンテナンスするだけで良い状況を比較的容易に維持することができます。社会工学的観点から、日本の新しい時代の展望を考えていくことが重要であると言えるでしょう。

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