その2

師匠からは頂き物もたくさんありました、今でも使っている阿修羅原さんの皮のジャケットと着物を入れてるカバンです、前座の頃師匠のお宅へ伺った時「このジャケット着れるだろう?阿修羅原のやつだぞ」と言って肩口が切れてボロボロになってた黒い本皮のジャケットを頂きました、母親に縫ってもらい着れる状態にしてから師匠に見せに行った所「いいじゃない、じゃこれもやるよ」と言って黒いボストンバッグも頂きました、頂くもの全て黒いですね(笑)、あとは暮れにハワイの別荘に毎年行っていたのでその度にデカいサイズの靴やポロシャツなと頂きました、そのお土産今どこへ行ったやら…、あとはまた食べ物ですが日帰りの仕事の帰りお弁当を持ち帰るのですが師匠は決まってご飯だけ私の弁当に置いていきます、ご自分はおかずを肴にお酒を飲みたいのでご飯は要らない、捨てればいいのにもったいないからと私にくれます、ですから私のカバンにはいつもふりかけを入れておいてご飯2倍のお弁当に対応しました、これは私の師匠である五代目円楽の時もやってました、五代目は人工透析をやっていたのでいつも日帰りの仕事の時はおかみさん手作りのサンドイッチを持ってくるんですが「あたしは食べないからお前お食べ」と私に渡します、ご自分は禁止されていたカレーライスを注文して「カミさんには内緒だよ」と美味しそうに食べてました、ですから私はいつもカバンにケチャップとソーセージを持っていきました、何せおかみさんの作るサンドイッチは味が全く無い病人食、確かに五代目もイヤそうでした。これも福岡行った時ですが主催者から博多とよのかという美味しいイチゴを箱で頂きホテルへ帰ってからゆっくり食べようと思ってたら「お前、さっきもらったイチゴだせ!」と、落語会終了後じゃんけん大会やって勝った人にそのイチゴをあけてしまったのです!何とむごい仕打ち!イチゴの恨みは今だに忘れません(笑)、とにかく六代目の師匠には食べ物にまつわる思い出がたくさんあります、打ち上げで行く寄席の近くの中華でも好きなものを食べさせていただきました、前座の頃から食べ物に関しては文句の一言も言わず好きにさせて頂きました、のちの糖尿病再発につながります、よかったのか悪かったのか…。パート3へ続く。

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