#週刊少年マガジン原作大賞

【キャッチコピー】
”スピード”の常識が変わる世界。その”座標”が世界を救う。

【あらすじ】
今より少し先の未来。テレポート技術が確立し、人類は社会インフラとしてテレポートを駆使するようになっていた。始業1秒前に自宅を飛び出る学生、ものの数秒で海外へと移動できる旅行者。社会や人類の価値が大きく変革する中で、またさまざまな問題も生じていた。
女子高生・ナナミはある日、自分のSNSのダイレクトメールに謎の座標情報が届いていることに気づく。ナナミはその座標に転移を試みるが、何らかの制約により転移ができなかった。
その座標の真意を解くため、ナナミはテレポートエンジニアのジンを訪ねることとする。ジンと助手のヤマト、エリカの協力もありその座標に到達するが、その場所には恐ろしい秘密が隠されていた。

【第1話のストーリー】
<プロローグ>
テレポートが技術的に確立し、社会的にインフラ化した社会の様を説明。
イメージ:女子高生(主人公ナナミ)のモノローグから。「人類はアフリカのどこかから誕生し、世界中に散らばっていったらしい。現代社会において、移動を制限することは許されない人権問題だ、と言っている人もいるとか。どうやら移動するのが人間の本能だ。」ニュースの映像。時計を見ると始業ギリギリ。慌てて動く主人公。「行ってきます。」その瞬間、学校の座席の上に現れ、着席する。鐘が鳴る中、同じように転移してくる同級生たち。「テレポートができるようになった今、移動は全く別の概念になった。」
授業中、テレポートに関する授業を聞きながら、インフラとしてのテレポートに関する説明。テレポートできる機材があり、長い距離は大きな設備が必要なため、ターミナル駅があること、自宅から学校くらいの距離であれば、自家用の設備で可能なこと、目に見える範囲であれば、スマホのアプリケーションで可能であるが、移動にはさまざまな制限があること、など。授業後、同級生と遊びに行く話をする主人公ナナミ。スマホでSNSを開くと、見慣れないDMが来てることに気づく。開くと、謎の数字の羅列が。同級生たちに見せると、それがテレポートに必要な座標情報である、ということがわかる。詐欺や都市伝説などさまざまな噂を無責任に語る同級生を尻目に、ナナミはDMを気味悪いとし、削除しようとするが、同級生にはやし立てられて、転移すると宣言してしまう。その場の勢いで転移に乗り切るが、短距離の移動も学校の設備を利用した中距離の移動もできない。“指定された座標への転移は対象者が制限されているため転移できません”というエラーメッセージがよりナナミの気味悪く感じる感情と好奇心を掻き立てることとなる。
 座標の情報を知るため、ナナミは、テレポートの専門家に会いに、かつて学校にてレポートの指導に来たエンジニアを思い出し、その事務所を訪れる。そこには、ガラの悪い客を相手に、転移を自在に駆使して掌の上で転がす20代後半の男がいた。
 一方、どこかのターミナルにて。ターミナルである男たちがどこかの国の要人を射殺する。男たちの手元のスマホにはナナミのSNSが映っているのであった。

【第2話以降のストーリー】
ジンから事務所とその所員の紹介をうけるナナミ。30歳くらいで受付業務を行うポーター(自分は小型端末でテレポートができないが、触れたものをテレポートさせることができる者)のエリカ、笑顔を浮かべる20代半ばくらいの好青年ヤマト、そして、身なりのだらしない20代後半のジン。3名からなる事務所はテレポートにまつわるトラブルの解決を生業にしている。ジンはかつてテレポートに係る国際犯罪に対応する民間警備会社に勤めており、高いテレポートスキルを持っていることがヤマトより明かされる。ナナミから座標情報を聞き、ジンはつまらない悪戯だと一蹴するが、そのDMの送り主がAzurという名前だったと聞き、表情を変える。エリカに座標を調べるように指示するジンの突然の心変わりをナナミは訝しむが、ジンから告げられたのはAzurとはテレポートシステムの基幹セキュリティを担うAIの名前ということだった。テレポートにおいては、座標情報さえ知ることができれば、物理的なセキュリティの外から攻撃を仕掛けることも可能になる。例えば、要人のいる場所に突然爆弾を送り込むなど。そうしたことを防ぐため、重要な施設については座表情を秘匿したり、また転移できないように設定することもできる。そうしたセキュリティ全般をAzurというAIが管理しているが、そのAIの管理者は誰なのか不明であるという。ナナミが転移できなかった際のエラーメッセージも併せ、ジンは座標情報の調査を受けることとする。
 ナナミは一度自宅に帰宅するがそこに待っていたのは黒づくめの男3人であった。座標情報を渡すように脅されたナナミは即座に座標情報を渡す。身の危険の可能性があることを案じたエリカにより渡された救難信号をナナミが発すると、即座にジンが到着し、5人の男との戦闘となる。短距離のテレポートを駆使しながら戦闘する双方であったが、ジンの高い技術により、うち2人がノックアウトとなる。ジンは、用が済んだなら帰るよう、残りの1人に告げ、その男は2人を抱えて転移する。
 座標情報がおそらくAzurの根幹にかかわるものだと推察したジンは、エリカとヤマトの2人に加え、公安の対テレポート対策チーム所属の2人の助っ人、コウダとシューヤを加え、座標情報の特定とテロリストの対策に乗り出す。一方、テロリスト側では、戻った1人が状況を報告すると、上座にいる幹部らしき男が反応する。「ジン・・・」と恨みのこもった眼で言葉を発する。
 国家システムも動員し、座標位置を特定したジンら一行は、最終地に直接行けないことから、何回かにテレポートを分けて、最終地の近くまでテレポートし、そこから直接最終地に向かうこととする。途中、ニューヨークターミナルでヤマトの裏切りにあり、テロリストに襲撃を受ける。激しい空中戦の末、テロリストを一掃するが、何人かに先にテレポートされてしまう。急いで追いかけるジンら一行は、最終地点付近で再度幹部集団と激闘となる。先を託されたジンは最終地点Azurサーバの前で、ジンに恨みを持つ幹部ナライと対面する。民間警備でかつての相棒だったナライとテレポートを駆使した激戦を行う。ほぼ同じ実力のため、戦闘は拮抗するが、最後に電子テレポートによる電撃により、ナライを撃沈させる。
 Azurに今後の対応となぜナナミをメッセンジャーにしたのか、と問うジン。Azurの座表情が一度出た以上は座標情報の大規模な書き換えが必要になるとし、建物ごと地下深くに移動することを提案するAzur。また、ナナミを選んだ理由については、特に明かされなかった。


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