リヨン第3大学学生自治会

La Corpo Université Jean Moulin - Lyon 3

「ベレー帽の掟」を守る
学生集団?

 リヨンには高等教育機関は24校ありますが、そのうち、大学(université)は、国立3校、私立1校の計4校のみ。グランゼコール(高等専門大学)と違い、バカロレア(高校卒業資格)を持っていれば大学に登録はできますが、ディプロム(卒業証書)を取って卒業することは容易ではありません。

 リヨン第3大学は、3校ある国立大学のうちの1校。リヨン第2大学とともに、人文科学系、社会科学系の文系学部を擁しています。なかでも法学部が有名です。キャンパスは、リヨン市内のローヌ河岸と新市街に2カ所あります。日本の19の大学と交換留学制度があるなど、国際交流にも積極的。日本語を学ぶフランス人学生もたくさんいます。

 旧たばこ工場(Manufacture des Tabacs)をリノベーションした、新市街キャンパスにある「リヨン第3大学学生自治会(La Corpo Lyon 3)」。自治会として、新入生向けの学校案内や学報の発行、学内に設置されたコピー機の管理などをするほか、ダンスパーティーの企画などもしています。

 この自治会のもう一つの姿が、「帽子同好会」。1888年にイタリアのボローニャ大学から始まった運動で、自分の属性や今までの学歴、趣味などを示すリボンやピンで飾ったビロードの黒いベレー帽(faluche)をかぶるというものです。リボンやピンの色、付ける位置は、「ベレー帽の掟」によって明確に定められています。帽子をかぶることはフランスの学生の伝統とされてきました。1968年の学生運動以降、極左の学生の標的にされて、この伝統は一時廃れてしまいましたが、最近また復活しつつあります。

 フランスの学生は度々のテストに追われて勉強に忙しく、日本の大学のように、クラブやサークル活動が盛んとは言えません。それでも、こういった団体は各大学にあります。街でリボンやピンを付けた帽子をかぶった学生とすれ違ったら、注目してみてくださいね。

information

Université Jean Moulin - Lyon 3
Manufacture des Tabacs
6 cours Albert Thomas 69008 Lyon
http://www.univ-lyon3.fr

mémo

リヨン第1大学(理系)には、生理学者のクロード・ベルナール、リヨン第2大学(文系)には、映画を発明したリュミエール兄弟、リヨン第3大学(文系)には、レジスタントのジャン・ムーランと、それぞれリヨンゆかりの人物の名前が大学についています。



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