夜のリヨン

Lyon à la nuit tombée

ペニッシュ(川船)に
乗ってみませんか?

 古くから河川交通の要所であったリヨン。今日、ローヌ河やソーヌ河を行き交う船の数は少なくなりましたが、河岸に係留されている船はリヨンのそこかしこで目にします。これらの川船がいわゆるペニッシュ péniche。もともとは貨物運搬用の、底が平たい川船ですが、改装されてバーやクラブ、レストランやビアホール、また、展示場や民宿(シャンブルドット chambre d'hôte)に。中にはペニッシュに普通に住んでいる人だっています(住居用に40万ユーロ程度で売買されています)。

 ペニッシュの多くは19世紀末から20世紀初頭に造られた、フレシネ型と呼ばれる運河用の貨物運搬船。この船型は、運河の水門の基準に合わせて、全長約38メートル、幅約5メートルに制限されています。乗り込むと、船の窓から水面はすぐ近くです。

 陽が落ちると、「光の街」リヨンでは旧市街やプレスキルの歴史的建造物から、ローヌ河とソーヌ河の合流地点(コンフリュアンス Confluence)の現代建築まで、川沿いの橋や建造物などがプロジェクターでライトアップされます。毎年12月8日前後には世界的に有名な「光の祭典」を開催。歴史的建造物にプロジェクションマッピングで光や映像が投影され、たくさんの観光客を集めています。

 2007年にはローヌ河左岸の河川敷が改修され、すてきな遊歩道になりました。ラファイエット橋からギヨティエール橋にかけてのローヌ河左岸は、バーやクラブになっているペニッシュが多いエリア。向こう岸にはライトアップされたオテル・デュー(Hôtel-Dieu)。川沿いの夜風に当たりながら遊歩道を散歩するのも良いですが、静かにたゆたうペニッシュから眺める夜景は、きっと忘れられないリヨンの夜になるでしょう。

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