リヨンの薬草店

Herboristerie à Lyon

心身ともに癒す
街の「魔法使い」

 薬草店(エルボリストリー herboristerie)とは、ラヴェンダーやカモミールといった薬効のあるハーブの調合を行い、一人一人の身体の症状にあった処方をしてくれるお店です。煎じたハーブを飲むほか、植物の精油を使ったアロマテラピー(aromathérapie)や、薬効を抽出して外用するフィトテラピー(植物療法 phytothérapie)などによって人間の持つ自然治癒力を高めることを目的としています。

 薬用植物による治療を行なうエルボリスト(herboriste)の資格は、フランスでは14世紀から認められてきました。しかし、1941年にこの伝統ある資格は廃止されてしまい、以後、国家資格はなく、正式な医療行為とは認められていません。それでも、販売は禁止されているわけではありませんが。

 リヨンで最も有名なエルボリストでありながら、薬学博士でもあるパトリスさん。彼の薬草店は、もともとはリヨンのクロワ・ルース地区で1852年に創立された、リヨンで最も歴史のある薬草店の一つ。現在はローヌ右岸沿いにお店があります。1983年にはフランスで唯一、エルボリスト養成のための学校、リヨン薬用植物学校(ELPM)を創設し、独自の資格を出してエルボリストの地位復活に努めています。

 不眠、消化不良、高血圧といった症状だけでなく、憂鬱、不安、イライラといった症状を癒すハーブの調合もしてくれる薬草店。ひょっとしたら、フランス語の勉強のために表現力や記憶力を高めるハーブとか、片思いや失恋に効くハーブがあるかもしれませんよ?

information

Herboristerie de Bonneval ex Croix-Rousse
2 quai Jules Courmont 69002 Lyon
Métro A : Cordeliers

Ecole Lyonnaise de Plantes Médicinales (ELPM)
http://www.ecoledeplantesmedicinales.com

mémo

16世紀、フランソワ・ラブレーが医者をしていた病院、オテル・デューHôtel Dieuは、2017年末にショップ、オフィス、ホテルの複合施設、Grand Hôtel Dieuに生まれ変わります。もともとあった、医学・薬学博物館Musée des Hospices Civils de Lyonは、この種の博物館としてはフランス最大になって、リニューアルオープンします。


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