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消える祭。

例年であれば、10月20日から11月5日までは大山の秋色週間として、期間中宿泊のお客様へ護摩木をお配りしていました。そういや、護摩木に願い事を書いたなぁ~という皆様もいらっしゃるはずです。ちょうど期間中の24日は大山寺の秋の例大祭にあたり、秋のご縁日として、採灯護摩法要、施餓鬼(なめこ汁のふるまい)、大山僧兵太鼓、そして稚児たちが衣装を着て参道を歩く稚児行列もありました。そのお祭に向けて地元でも盛り上げようと毎年、護摩炊きの際に炊き上げる護摩木を宿で購入し、寿庵も開業時からずっと宿泊の皆様へ宿からサービスとして差し上げていたのですが、今年は準備しておりません。

実は、今年は採灯護摩法要などの大きな祭りが開催できないためです。地域の高齢化問題のみならず、お寺の事情、法要の際に来ていただいていた、修験者の方の事情などなど‥。

ただ、稚児の衣装を着ての撮影や祈祷は楽しみにされている方も多いため、これだけはされるようですね。

なんだかさみしい気もしましたが、地域で話し合った結果です。年々役目に参加される方も減っており、じわじわ地域の負担になっていました。特に、私のように一人商売だと、24日が週末に当たった場合は、宿の最盛期とかち合い、役目に出かけることもできませんでした。

祭は大山に来てくれる観光客の皆さんの為でもあるし、泊まったくれたお客さんにも喜んでもらいたい。でも、自分の宿のお客さんを優先すると役目に出ることができない。年間色々ある役目できるだけ参加しながら、宿の業務も並行して行うため、バタバタしている私です。

今年も護摩木は配られてもいいですよ‥と言われたのですが、大きな祭壇をつくっての護摩炊きもないし、祭もない。地域全体でするなら‥と思っていつもサービスしていたけど、そういう動きがない以上、私ももうお客さんのためとはいえ、なんだか護摩木を買う余力もなかった‥(涙)。

コロナで3年目の秋。4月大山の一斉清掃も無くなり、5月の御幸神輿もなかった。6月の山開き前夜祭のたいまつ行列もないし、7月のもひとり神事も関係者だけで粛々と行われた。8月の山の日の寿庵BBQも自粛中だし、10月の秋の一斉清掃も3年ない。そしてこの24日の祭りも無くなり、小さい法要だけが行なわれるようですね‥。

うーん、コロナだけが理由じゃない。地域の高齢化も一つの要因です。観光地とは言え、小さい集落。限界集落と言っても過言ではありません。これから先、どんどん行事がなくなることを危惧しないといけない。

地元だけでは支えきれない様々な祭に神事に行事。何とか盛り上げないといけないのだけど、私も身体が1つしかない‥。次の世代(我々世代)は、これからの大山をどう盛り上げていくのか‥今のままではどんどん伝統が衰退していく。民間だけでは難しいので、官民連携で盛り上げる方法を模索していきたいですね‥。

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