山と旅とどちらが好きですか？？と聞かれると「旅の途中に、山へ登るのが好き」というかもしれません、それか、「旅が好きで、その旅先で、山があれば登ると思います」というでしょうね。だから「旅」が好きなのだと思います。

つまり、私にとっての登山は旅の延長線にあるもので、目的ではない気がします。だから、北アルプスとかも大好きだけど、近くに住みたいと思ったことはなく、登山口まで行く道中込みで山が好きなので、山が遠ければ遠いほど、旅が楽しくなるのでワクワクしますね。

開業してから、ほとんどどこへも行かなくなったので、「旅」という要素が欠落中。でも、起業前に旅はそれなりに楽しんだので、今は、「旅」よりも「山」に比重がかかっていますね。でも、そのうち、また急に「旅」したい！って思えば、ふらっと出かけるでしょうね。

最近、開業前に行ったことがある宿が廃業してしまい、びっくりしました。建物もとても素敵で、スタッフの方もすごくよかった。宿は、建物の快適さよりもスタッフの心地よさがネックになってるって思う。色々宿を回ったけど、記憶に残るのは建物よりも人。

だからこそ、宿廃業の決断をした彼女の書いたブログを読むと、色々な思いが出てきますね。とうぜん、自分の思いも重ねてしまい、決断の苦悩が嫌というほど伝わりました。幸い、２店舗経営していたので、もう一つは残るとのこと・・・こちらは私が開業後にオープンなので、まだ行った事がありません。いつかいけたらいいなぁ・・・。

彼女だけじゃなく、多くの宿がこのコロナ禍で廃業を決断。旅が好きで、旅好きの集まる宿を作りたくって開業。私も旅と山が好きなお客さんが来てほしくって開業。ただ、数年前より、各地でゲストハウスが増えてからは「旅」をコンセプトにするよりも、「山」をコンセプトにした方がいいと考えるように。「旅」は他のゲストハウスでも十分にカバーできるようになったし、立地的に、ふらっとくるよりも目的が明確な人が来やすい環境なので、その特性を生かし「山」に特化してきました。このコロナで「旅」は苦戦しているものの「山」の部分が寿庵には残ったので、なんとか人は来てくれるのかな？と思います。

細々営業できてるのは、その部分があったから・・・。そうでなければ、かなり厳しかったかもしれませんね。

「旅」はいつ戻るのか？？もちろん、徐々に戻っては来ていますが、まだ大手を振って旅へ行く！という雰囲気ではない気がしますね。

私がいう「旅」は、旅行とはちょっぴり違って、いろんな出会いや偶然を楽しむもの。目的が明確な「旅行」とはちょっと違うかもしれません。なので、今、疲れた体や心をリフレッシュするような「温泉旅行」のようなものや目的が明確な「登山旅行」などは戻りつつあっても、目的なく・・とか、自分探しの・・とか、出会いを求めて(ここでいう出会いは恋愛ではなく人とのつながり)・・・なんて言うような「旅」のスタイルはまだ戻ってない気がします。

片道切符をもって、どこかへ出かけ、出会いや偶然や予期せぬハプニングを楽しむような「旅」は、今のコロナの中ではなかなかできない気がします。だって、人との交流や、出会った人と旅の道づれになるようなことを避けないといけないからです。ゲストハウスでも相部屋を利用せず、個室利用にしているところがたくさんあります。つまり、知らない人同士で交わることができないからです。

寿庵も例外ではない・・。みなさん「山」が目的で来てくれるのですが、宿で出会った人同士での山の語らいは今はありません。目的を達成するだけでよければ、語らいはいりません。でも、プラスアルファの喜びとして、語らいを大事にしたくって、登山口にゲストハウスを構えた私としては、本来の姿ではない宿にストレスも感じています。もちろん、パネル越し、マスク越しで、控えめに語らってもらっているのですが、できるだけしないようにお願いするようになります。

つまり、語らいをしないように、お願いをしなくてもよくなる世の中にならない限りは、本来の「旅」は戻ってこないのかもしれません。

「旅」の中継地点である「ゲストハウス」は今、転換する時なのか？それとも「旅」が戻るまで待つべきなのか・・・。どこのオーナーも今、選択を迫られてるかもしれません。

若い時に旅する中で、やはり「ゲストハウス」(時にはユースホステル、バックパッカーズ）には散々お世話になりました。今思えば、ゲストハウスがなければ、出来なかった旅がたくさんあります。出会いもたくさんあり、本当に助けられました。

だからこそ、ゲストハウスが本来の姿で動き出すのを、私自身も待ちわびています。人はずっと旅をしてきたので、その長い歴史が、今この瞬間だけ途絶えているだけで、きっとそのうち当たり前のように、人が旅をする日が来ると思います。

それまでに、どこのゲストハウスも頑張ってほしい。また旅人が帰ってくるときまでに、耐えてほしいですよね。

これは自分にも言えること。また語らえる山宿に戻る日まで頑張りたいと思います。

写真はNちゃんから、山の上は空気もクリーン！！ただ淡々と大山に登る・・。これだけじゃ、コロナに感染するわきゃない！やっぱ、みんなで酒飲んで楽しんで、盛り上がる・・ってことがダメって言われる。いちいちうるさく、言う私もつらい。なんか小姑みたいに、声が大きくなってますよ・・とか、マスクしてくださいね！とか、アルコール消毒！！とか言いたくない。「酒で消毒してるから大丈夫！」という親父ギャグ？に眉間にしわを寄せる私の身にもなってくれ～！(涙）

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