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変わらないのだけど‥。

秋深まりいい季節、昨日は初冠雪の大山。紅葉ドライブにもいい時期になりました。寿庵はあんまり割引の恩恵がなく、周りの宿のように「お客さんがどんどん来るわ~!(うれしい悲鳴)」という感じでもなく、常連さんが「戻って来てくれたなぁ~!(同じく嬉しい悲鳴)」という感じです。

そして、登山者に交じり、バイク一人旅とか、学生さんの旅人などがちょっとずつ戻ってきた気もします。コロナは相変わらずだけど、制限が消えたので、動きが出たのでしょうね。

この週末もバイク旅の大学生女子が来てくれました。

私にもあった女子大生時代。友達と2人で沖縄の離島をテントで野宿旅。コメを炊きながら、各駅停車の18切符で九州へ向かう、駅チン(いわゆるステーションビバーク)、そしてテント。時にはYHAを利用、はたまた地元の人の家へあがりこむ‥。

もともとは沖縄本島一周自転車旅の予定だったのですが、地元の人に天気を聞いたら一週間雨。急遽、晴れてる可能性のある石垣島へ移動。でも、到着した日はどしゃ降りの雨。テントのつもりだったけど、どこか安い宿に泊まろうと観光案内所で探してもらいました。30年前で旅館の素泊まりが3000円。

で、寿庵の素泊まり最低料金が3000円。そういや15年前、インドのムンバイでめちゃくちゃぼったくられたホテルが3000円だった‥。

変わらないね。

寿庵開業時は2800円~という金額でスタート。ただ、設備投資などにお金がかかり、数か月してから3000円に値上げ。安く提供したいけど、それって結局自分の首が絞まるだけ‥。

ここ最近、色々と仕入れの値が上がりつらいところ。洗濯を自分ですることで、宿泊料金の10%かかるリネン費を抑える努力をしている。もちろん、それ以外にも小さなことだけど、早めに消灯したり、ストーブの出力を低くしたり(もう苦肉の策)。経費見直しをするけれど、でも、やればやるほど、自分の労働は増えるのに、収入は増えない(涙)。

珈琲豆の料金も一気に上がった。でも寿庵のコーヒーは200円。気軽に立ち寄ってほしいから、その金額だけど、もう、そろそろ値上げしないとなぁ。

客単価をあげたいって思うけど、でも、学生さんや旅人。日本一周バイク旅のお客さんが来ると値引きをしてあげたくなる。過去、その旅人の状況を見て、お金を取らなかったことも。

自分が学生の時にした貧乏旅や、20~30代の時にしたバックパックの旅。その時に、たくさん助けてもらったし、タダで泊めてもらったことも。山小屋でも皿洗いすることで、安くしてもらったことが何度もある。

そんな宿があってもいいかな?って気持ちもあるので、やはり値上げに踏み切るのは躊躇する。

キャンペーンが始まって、あちこちで便乗値上げと言われるのだけど、もともと宿屋は変動制。週末や最盛期は値段が上がる。儲けられる時に儲けないと、何か起こった時は一番最初にあおりを受ける業種でもあります。なので、同業としては理解ができる。実際、色んなものが値上がりしていている。うちみたいな小さい宿でも数字になって表れてきたので、否が応でも実感せざるを得ない。

もともとうちは定員数が28人がマックス。コロナ以前は最盛期は25人くらいが当たり前に受けていたのですが、今は、約半分。12~15名が限界。1名であれば何とか対応できるけど、2名超えてくると対応できないので、お断りする。5名で連絡があって泣く泣くお断りして、1名なら受け入れが可能‥。今まではほとんど断ることなく受け入れてたところを、密を避けないといけないので、断らざるを得ない。

その中に置いて、値上げもしにくい。正直、受け入れ人数を減らした分、単価があげたい‥。

大きなホテルも定員数を減らしていると聞いています。それ以上に、従業員の確保も難しいしようですね。観光業は季節労働みたいなもの。繁忙期と、閑散期の浮き沈みが激しいので、その都度、バイトを雇ったりする。今の若い世代はそういった働き方を好まないし、不安定な収入は誰も嫌がるはず。

色々な意味においても、やはり便乗と言われようが最盛期にあげるのは理由があるので、今、キャンペーンでお客さんが増えてくる時期は、値段が上がってもしょうがない気もどこかしています。

とはいえ、万単位で値上げもあると聞くので、そのあたりが問題視され、行政指導でも便乗値上げをしないようにとお達しがある。

さて、寒くなったので、今月からストーブが登場。先週から客室にストーブ設置。そして数日前より湯たんぽが登場。今年の灯油代金、光熱費の値上げは骨身にしみる。寿庵だって便乗値上げがしたい!そう思う今日この頃です‥。

話は戻って、15年前のインドでぼられた話。地元の人に、1泊500円の宿を紹介してもらったのですが、すでに満室。長旅の疲れで早く落ち着きたかったのだけど、さすが都会のムンバイでは、安宿はどこも満室。そして見たからに外人とわかる私の周りには、客引きが常に話しかけてくる。

あまりにもしつこいのと、根負けして、安い宿だからと言ってついていったら、外国人価格を見せられて、それを支払えと言われる。

3000円。当時のインドの宿の価格から考えれば、めちゃくちゃ高いけど、でも、日本の相場で考えれば安い金額。払えないわけじゃないけど、払うのが悔しくもなるバックパッカーのかなしいサガ。まぁ、もう早く寝たいし、3000円でもいいや!と思って支払ったのだけど、その宿で南京虫の被害にあう。安宿では一度も被害に遭わなかったのだけどなぁ‥。

まぁ、それも旅の思い出。

3000円の宿に泊まって、南京虫にやられた!なんて言われたくないしね、今日も隅々までお掃除します~~ただ、秋のポカポカ陽気に誘われて出てくるカメムシは大目に見てね!だって、常に共に生活している環境ですので‥。

寿庵のHPはこちらをクリック!





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