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怒っている人

怒っている人を見ると、
何があったんだろうとまず思う。
理由はきっといろいろあるね。

さっきまで怒ってた人が今は落ち着いている姿を見てホッとした。
病院での障害者トイレの使い方が怒りの理由だった。
怒ってた人も正論、怒られていた人もビクビクしながら謝ってたから、おせっかいおばさんの私は、もうそろそろ良いかな…と他人として割って入ろうかと思っていた。あまりにも大声だったので、怒っている人が一方的に悪い印象を受けそうだったから。男性事務員の方々が来てくれた。

怒っている人、ご自身の病状も辛くて怒りが幾重にも増していた。
わかるような気がした。
わが家にも闘病している大事な家族がいるからだ。うちの闘病している家族は、昔から多くを語らず辛抱強く耐えるタイプだ。
さっきの怒っている人と表現は違うけど、同じような辛さがあるのかなあとその病状の一部を見せてもらった気がした。

病院に無縁だった私は、待ち時間のあまりの長さに居眠りしていた。耳に入ってくるたくさんの会話に微笑ましくもなった。
受付から呼ばれていたのにトイレに行ってて間に合わなかったと頭を搔きかき、えへへとばかりに愛嬌のある人、
知り合いと会えて近況報告し合っている人、
一人で静かに順番待ちの人、
元気な泣き声をあげる赤ちゃんをあやしてママの帰りを待つおばあちゃん、
まだ呼ばれないと受付の方に問い合わせするおじいちゃん。

気付けば怒っていた人は、すっかり怒りが冷め、今日の治療に専念しようと勇ましい生命力ある顔をしていた。なんだか嬉しかった。


私の受付番号はまだ掲示板にも発番していない。せっかちな毎日を生きてきたので、家事から解放され、こんなにまったりできるなんて〜と身体がほぐれてきた。気を緩めると夢の中。しかし寝ている時ではない。
心の動きをnoteに書こう。

あなたの今日はどんな日?


〈写真・おにぎり・文 ©︎2021 大山鳥子〉

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