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冬が好きなのかもしれない

身体中を凍えさせる冬が、あまり好きではない。涼しい秋が好きだし、暖かい春が好きだし、冬よりはまだ夏の方が好き。

と、思っていたのだけれど。

冬もあんがい、悪くないなと思うことが増えた。

あったかい布団に包まれて動かない休日の朝のが好きだし、晴れた日に肺に吸い込まれる冷たく透明な空気が好きだし、歩いていると少しずつ暖かくなる身体の感覚が好きだし、帰り道きりりとした夜の冷気がほほに触れる感じが好きだし、暖かい鍋を食べながらじわりとに足先があたたまっていくあの感触が好きだし、虫の声が聞こえない静かな夜も好き。

身体がいろんなことに敏感になったせいかもしれないけれど、もともと寒さに弱い僕の身体が、暖かさを求めていろんなことに反応しているのかもしれない。とにかく毎日、足先の冷えと戦ってはいるのだけど、冷えた足先に血液が巡って蘇っていく、じわじわぼわわ...という瞬間の喜びは、その血管の頑張りに拍手を送りたくなるほどだ。

「寒さ」に強くなることは多分これからもないんじゃないかと思うけれど、寒さの味わい方というか、寒さとの付き合い方は、もっと楽しんでいけそうな気がしている。というか、そうじゃないとこれからやっていけないのかもしれない、と身体からのメッセージなのかもしれないな。

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