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Curtis Fuller / Curtis Fuller Vol.3

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Curtis Fuller Vol.3 / 1957

2004年8月20日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================

管楽器の音色が好きだ。

テナー・サックスの「ぶふぉ~」という音やトランペットの「ぷふぁ~」という音が好きだ。

どちらが好きかと問われたら、乾いた感じのするトランペットの音の方が好きだと答えよう。

テナー・サックスも好きだが、どうもウエットでエモーショナルな部分が少し辛い時もある。しかしこういったサックスの特徴がソウル系の音にはどんぴしゃりとはまる。

そんな訳で、トランペットと同系列で、低音の魅力溢れるトロンボーンが嫌いなわけがない。

さて、トロンボーンといえば、やっぱりJ・J・ジョンソン、と世間的に相場は決まっているのかもしれない。しかしJ・J・ジョンソンのビ・バップ風猛スピード演奏ではトロンボーンの音色の美味しさをじっくり味わえないような気がする。確かにトロンボーンをまるでトランペットのように自由自在に操るJ・J・ジョンソンの技術は大したものだが。

私は演奏スピードを売り物としない、ゆっくり・ゆったり演奏タイプ(?)のカーティス・フラーの方が好きだ。そんなカーティスの作品の中では、フランシス・ウルフが撮影した、ギョロッと目を剥きながらトロンボーンを一心不乱に演奏する彼の写真を使った『Curtis Fuller Vol.3 / カーティス・フラー Vol.3』が好きだ。

まるでハード・バップの結晶体、キャッチーでノリノリの一曲目《Little Messenger》は後に参加するジャズ・メッセンジャーズへのカーティス流の挨拶か? ラテンっぽい二曲目《Quantrale》も実に楽しい。全体にゆったりペースの曲が多く、カーティスの円やかなトロンボーンをじっくり味わうにはもってこいのアルバムだ。

そしてカーティスのトロンボーンと一緒にフロントを張るのが、歌心溢れるアート・ファーマーのトランペット。高音系のトランペットと低音系のトロンボーンが混ざり合い、醸し出す、乾いた暖かいサウンドはたまらない。

And More...

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Bone & Bari
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Blues-ette

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