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映像ディレクターという肩書

僕は作家活動以外に主に広告業界の映像ディレクターとしてお仕事させてもらってきて来年で20年になります。
20年!、、、。自分ではまったくもってそんなに経ったようには感じてないですが、
思えばこんなにも長い間お仕事いただけて本当に感謝しかないです。

20年の間に映像業界もすごく変わって色々と業界が熱く、色んなジャンルのお仕事を頂くようになって気になったことちょっと綴ってみたいと思います。

映像を作る人にも色々な肩書があって、映画監督、映像監督、映像ディレクター、映像作家、映像クリエーター、動画クリエーター、ビデオグラファー、、、。まだありそうですが。
これみんな映像作る人なんですが、なんでこんなに肩書が多いのか。おそらくそれぞれの映像業界によって少し立場が違うからなのかなと。

僕はフォトグラファーとしてのお仕事も頂いているのですが、肩書が写真家かフォトグラファー(カメラマン)くらいしかあまり聞かないんですよね。写真のときは当然自分で撮影しながら演出もします。

これ、広告業界の映像だとクライアントさんの他にクリエイティブ・ディレクター、アートディレクター、コピーライター、プランナー、などの方々がおられます。
そしてプロデューサーがいて、ディレクターで、撮影する人がいます。
名前覚えるのが大変です。


そもそも映像というのは分業の世界で、監督だけでも演出監督、撮影監督、CGやアニメーションやVFX監督、音楽監督、アクション監督など、やたらと監督がいたりします。要はそれぞれの部に監督がいるんですね。で、映画だと総監督と言われる方が纏めているんですが
本来演出部の映像ディレクターって演出が仕事なんですね。
これフォトグラファーで例えると、撮りたいイメージはあるけど撮影もライティングもできなくて機材も持ってない事と同じです。
もはや念写ですね。

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ではどういう仕事をしているかですが、
映画やTV業界はまた違うので広告業界でのお話ですが
ざっくり言うとディレクターってほぼチームを作る仕事です。
基本的に企画は出来てるので企画に基づいた役者への細かい演出と制作スタッフィング(どんな撮影、音楽、美術、衣装などへ発注するか)が主です。あとは撮影後の編集の指示ですね。
グラフィックの世界のアートディレクターさんが近いです。

これがYoutuberなどの動画クリエーターさんやファッション映像などのビデオグラファーさんが一人で企画も撮影も演出も編集もする方が増えてきて映像も写真のカメラマンのように発注されることも多くなりました。
(映像ディレクターってムービー撮れて編集できる人)
これが発注する方が混同した理由ですね。。。

僕も近年Musicvideoやファッション系の映像はほとんど自分で撮影も編集もしてました。ホントは演出に集中出来たほうが質があがるんですが
それぞれ分業にするとそれに携わる人が増えてお金もかかる訳です。
そんなお金はありません。
機材の進化も相まって一人でも出来ちゃって一人ってことはディレクションする必要ないんです。
でも、依頼を受ける時に発注側が一人でできる範囲なぞ分かるわけないので割と大掛かりになる企画を求められると出来ないってなっちゃって制作側のもどかしさでもあるんですよね。

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20kgほどあるカメラ。一人じゃ無理

僕は映像演出の面白い所ってスタッフィングだと思ってます。
知らないレンズを持っきて自慢する撮影監督、最新の照明を持ってくる技師、見たこともない動きする特殊機材、わけわからない美術、奇妙な音楽、音効それぞれプロフェッショナルな自慢(仕事)を一つにまとめ映像を料理していく。ここがディレクターという仕事の面白いところだと思うんですよね。まあ予算がゆるせばの話ですが。。

なので、映像ディレクターはカメラマンではなくアートディレクターに近い仕事という事デス。


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