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北京の秋。北京・中国人民革命軍事博物館  世界美異意識紀行

秋の北京に行って来たよ~。
世界一美しい場所は、秋の北京に決まっているよ、って敬愛する大作家・田辺聖子先生が仰っていたから行ってみたんだけども・・まあそこは置いておいて。
行ってみて思ったのは、物理的に近い外国って飛行機で疲れないから良いなっていう事。中華圏は容姿的に溶けこめるから気楽だなっていう事。しかし厳然と外国である。それから私は極東アジアの民だなっていう事。
北京は良いところなんだけど、ひとつ圧倒的に良くないとこがある。空気が良くない。
気管支悪い人は本当に行かないほうがいい。
しかし初日は目と鼻と喉に異常を覚えたものの2日目には慣れて、自分に驚いたんだ・・。

遠くがボヤーとしてるのはピンボケではなく、大気汚染による。
で、ここに行った。大・中華人民共和国の首都、北京が誇るプロバガンダミュージアム、中国共産党肝いりの中国人民革命軍事博物館だ。

どうだ!!この日は空が青くて綺麗だった。
日によって全然違う。

開館前に並ぶ人民たち。そして私。
天安門広場は、ツアーできてる外国人観光客もたくさんいたが、ここは中国人オンリーな感じだ。
うしろのおじさんに話しかけられたもんだから、グーグル翻訳でスマホの画面を見せて
"私は日本人で、ここを見学したくて来た"と伝えた。
おじさんは納得したようすで、にこやかに自分のスマホで家族や自宅の写真を見せてくれた。そして、いよいよもうすぐ入場となったときに、
おじさんは写真入りの免許みたいなカード(身分証だと思う)を見せてきて、これが必要だ、と言う。
パスポート?と聞くと頷いたので自分のパスポートをカバンから出した。すると、まわりがざわついてみんな私を見た。
それは今までに経験したことのない空気だった。
おじさんが別のおじさんに私のパスポートの "日本国"を指差して、一文字ずつ読んでいる。
教えている、という感じだ。教えられているおじさんはものすごく興味深そうに、私のパスポートを覗きこんでいる。何とも言い難い雰囲気だが、私も他国のパスポートなんてちゃんと見たことないしなあ。
パスポートをカウンターで見せると入場券がもらえて(こういった、プロバガンダ施設はたいていそうだがここも無料)結構きびしめの手荷物検査を経て、余所者として厳粛にふるまいながらウロウロと入場する。

入る前から期待度高すぎる。

良くも悪くも鮮烈であった。

さらににじり寄ってみてみる

広い!デカい!
うーむ。左巻きとしてはにっぽんの防衛費の高騰には憤るクチだが・・この壮観さにワクワクしちゃうのも事実なんである。

見るひとが見たらたまらんのだろうと思う。

魚雷もある。

地下へおりると、戦車やらがズラリと並んでいて、
それはかつての日本を筆頭として中国とやりあったロシアやドイツの兵器であり、脆弱なあたしには何だかいたたまれないと同時に

そのフォルムの造形美には、例えるなら感じちゃいけないのに感じちゃう、誉められたもんじゃない相手との性的接触のほうが興奮することにも似た、後ろ暗い愉悦を感じさせるものがあった。

でも皆んな、どういう態度で鑑賞してるのかと思ったら、家族で遊園地にでも来たような感じでニコニコしながら楽しげにとにかくやたらに写真を撮っているのだった。

いかにもなプロバガンダ巨大画

ここでは誰もがポーズをキメて記念撮影していた。呆けたように眺めていたら、多分同類の国外からひとりで来てるっぽい女性に写真を撮ってほしいと言われ快く応じるも、ごらんの通り暗いのだった。

ステンドグラスと監視員
館内は本当にぴかぴかで、チリひとつ落ちていない。二人一組で床を拭き上げていた。
その様子がものすごく社会主義を感じさせた。

何でも撮りまくり。
ここは北京に行くまで知らなくて、地下鉄で移動中に路線図で"軍事博物館駅"を見つけて調べて来てみたのだけど、かなりオススメ。
無料ということもありただ時間潰してるようにしか見えない地元っぽいじいさんもいっぱいいた。
地下鉄と徒歩で移動して、こういうとこ見に来て、
ローカルな食堂でご飯食べて、ちょっとおやつや飲み水を買っても1日1000円ちょっとしかかからない。特に節約してるという意識もない。

炒肝というレバーとニンニクの煮込みと、肉まん。
味付けが醤油ベースなので基本何でもおいしい!
北京はもういっこブログ上げまーす。

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