修羅場に強い人

昨日、災害に関する研究をしている先生と会ったのだけれど、生死を分けるような局面では人間はパニックになるというよりむしろ動きが止まってしまって危険を避けられなくなるという話をされていた。特に正確な情報が得られない時に動ける人間は少ないと。

僕の知り合いに二人修羅場を経験した人がいる。一人は飛行機墜落事故の際に航空会社にいた人。もう一人は震災の時に現地の役所で働いていた人。二人とも共通して言っていたのは、いざ修羅場になった時急にリーダーになる人間がいるという事。そしてそれは平時のリーダーとは違うという事。

確かに実感としてもわかる気がする。いざという時強い人間と弱い人間がスポーツの世界にもいて、そしてそれは生涯、少なくとも現役中は変わらなかったように思う。いざという時に動ける人間と動けない人間。リスクを取れる人間と取れない人間。

正確な言葉は覚えていないけれど、危険は現実だが恐れは物語だとウィルスミスが映画のなかで言っていた。物語から離れられる人間と、物語のなかを生きてしまう人間の違いだろうか。本当に怖い時、自分がどういう行動を取るのか僕も自分でよくわからない。

震災時、生き残った人が多かったエリアとそうでないエリアを分けると、逃げる事を促したリーダーがいたエリア、そういうリーダーがいなかったエリアできれいに分かれたらしい。修羅場に強いリーダーがコミュニティのなかにいたかどうか。

修羅場に強い人は、平時もリーダーなのだろうか。それともうだつの上がらない人が急変するのだろうか。生まれで決まるのか。それともトレーニング可能なのか。修羅場に強い人を知るためには結局修羅場の状態で見つけるしかないのか。

2014年10月14日 blogより

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