実験のセンス

スポーツ界には迷信と真実が入り混じっている。その時強い選手がやっていることが流行る。その人がやっていることが万人に効くのかどうかはさておき、結果から原因を推測する。。

本当に効果があるものとそうでないもの。それらの違いをどう分けるのか。科学が証明してくれるのを待っていては間に合わない。エビデンスには量がいる。一つの例だけ見て判断することはできない。しかしトップの世界には人数がそれほどいない。科学的に証明されるころにはトップはもっと先に行っている。しかも世界は複雑である。

自分の人生で証明するには実験しかない。今週はウォーミングアップで20分ジョギングをしてみる。翌週にはウォーミングアップで20分スクワットをしてみる。どちらがより良かったのかをその後感覚や数値化されたものも含め評価する。そして選択し検証を続けていく。

実験が少ない選手には経験の幅がない。正しいから、すごい選手がやっていたから、これまでもそうだったから。今よりも良くなるのではないかという姿勢がない。自分が習慣的にやっていることを疑えない。検証してどちらがよかったかという比較がない。

自分の行動によって相手の反応も変わる。何も変わらないと言いながら、一番変わらないのが皮肉なことに自分の行動であったということは多い。世の中がいつも同じなのではなく、自分が習慣に縛られているから世の中が同じ反応をしている。

能動的にトレーニングをするということは、自分で何かを変えてみてその結果を注意深く観察するということ。そうしてそこから得られた学びを活かすこと。その繰り返しで、迷信と真実は分けられ、自分なりの学びが生まれる。今この瞬間にも自分はなにかを変えてその結果を観察する権利がある。

2014年12月02日 blogより

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