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子供達の未来を一番に考えませんか

2020年1月31日現在、オミクロン株により新型コロナウイルス第六波の真っ最中と言えます。振り返れば我が国では約二年弱前の2020年4月、新型コロナウイルスによって人体にどんな影響があるかわからず世界中混乱する中、緊急事態宣言が出されました。街は閑散とし、誰もがひっそりと自宅で過ごすことを余儀なくされました。学校もさまざまな施設も閉鎖されました。

現在もわからないことはたくさんありますが、それでもこの二年間で、世界中の医療機関、研究機関、さまざまな方の努力により少しずつ新型コロナウイルスの正体が明らかになってきました。私は医療の専門家ではないのでその前提の上でにはなりますが、確認できる範囲では少なくともワクチンも(先進国に偏りながら)行き渡り、オミクロン株においてはデータを見る限りでは重症化の比率も減ってきました。完全に未知のウイルスではなくなってきています。

各国の対応を見る限りでは市民生活を行いながら新型コロナウイルスと付き合っていく時期に入ってきているようです。もちろん重症化すれば危険なウイルスであることは間違いないので、対応の仕方は文化圏や市民の考え方によって違いがあると思います。ただ、市民生活を止めてしまうことの弊害(自殺率の増加、鬱病などの増加、経済の悪化)と新型コロナウイルス感染拡大とのバランスをとる方針に切り替えた国がほとんどだと思います。

今、我が国で最も被害を受けているのは子供たちだと思います。子供の重症化率は以前から低かったことが知られています。けれども子供が感染するとウイルスを拡げてしまう可能性がある。ですから、子供には社会のために行動を制限してもらっていました。その制限が二年経った今もまだ続いています。大人にとっての二年も大きいですが、子供の二年はもっと大きいです。5歳の子供にとっては人生の5分の2がコロナに影響されたことになります。上京してから一度も大学に行けておらず、孤独で鬱病になってしまった大学生もいます。

私は今からでも以下の三つを社会が子供達に約束するべきだと考えています。

①社会全体として「子供の未来を最優先する」という共通認識を持ち、トレードオフがあった時は、子供が大人のために我慢するのではなく、大人が子供のために我慢する。
②感染対策をした上で行われた子供の教育に関わる施設やイベントでは、感染しても責任を問わない。
③子供の学びを極力止めないという前提で、何ができるかを考え現実的に機能するルールを作る

子供達から話を聞くと、この二年で何度も何度もイベントや大会が中止になったそうです。その都度どうしてと大人に聞くと「仕方ない」という言葉を聞かされたそうです。たしかに仕方がないこともあると思いますが、全部が全部本当にそうなんでしょうか。すでに二年経過していて、本気でなんとかしようと思えばできたこともあるのではないでしょうか。日本ではできないと思われていることができている国もあります。「仕方ない」と言えば自分の責任を回避できるから使っているということはないでしょうか。

私もいずれ年老いて介護される立場になると思います。もし将来3,40歳下の方と2020-2022年の話になった時、「どうしてあの時大人は僕たちの学びを守ってくれなかったのか」と聞かれて、「仕方なかったんだよ」とは言いたくありません。2年前は確かに仕方なかったのかもしれませんが、今はデータが出ていますし、ワクチンも接種されています。意志さえあれば折り合える局面に来ています。医療関係の方々には負担をかけてしまい申し訳ないですが、各国その部分はできる限り理解してもらいながら折り合っているのだと思います。

子供の活動が増えることで大人は多少被害を被るかもしれませんが、それは本当に絶対に子供の活動を全部止めてでも避けなければならないことでしょうか。国が続くということは、上の世代から次の世代に豊かさを贈り、次の世代に上の世代が支えてもらうリレーのようなものです。我が国は少子高齢化であり、ただでさえ若い世代に負担がかかる構造になっています。また今回の給付金などはそれを返す次世代に大きな負担となります。社会は誰かに支えられることで成り立っていますが、支える人がいなくなれば社会がそもそも成立しなくなります。全ての人が国籍を変えることは難しいでしょうから、私たちが何もしなくても次の世代はいずれ私たちを支えることになるのだと思いますが、次の世代にいろんなものを押し付けていって支える時だけ支えてもらって、それで本当に私たちはいいのでしょうか。

子供たちは想像するよりもわかっています。子供たちは何も言わないかもしれませんが大人がどう振る舞うかをじっと見ています。ただでさえ人口減少で希望を持ちにくい我が国で、子供達に贈ってあげられるものはそう多くはないかもしれませんが、せめて伸び伸びと学べる機会だけは送ってあげたいと私は思います。

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