見出し画像

【お遍路45】長老達

漁師は朝が早い。

多分3時頃から起きてたかな?(僕は布団の中)

僕が起きた5時には姿かたち、ありませんでした。

出発しても良かったのですが、気候もいいし待つ事を選択。

6時頃に帰ってきたもりおさんを側で観察させてもらいました。

取ってきたばかりの魚を捌く為に、包丁、まな板を研ぎます。

昨日見せてもらった捌きをもう一度見れました。(覚えたかったから動画に残しました)

漁師さんの生活には興味があったのでとても貴重な時間を過ごすことが出来ました。

そんなこんなで、母親の横にいる子供状態で朝食の準備を観ていると、ゆたかさんがニコニコ登場。

僕がまだいる事が楽しいみたいで、この後、息子さんの事を紹介して貰えることに。

今日のもりおさんは無理にお酒は進めてきませんでした笑

もりおさんもゆたかさんの息子さんの所は行った事がないらしく同行。

息子さんは蘭農家で立派なハウスが数棟並ぶビジネスマンでした。

しかし、息子さんが凄いのが蘭をやりながら新しい分野にも取り組んでいること。

別棟でバナナのハウス栽培を研究しているんです。

まだ早いというバナナをいただきましたが、何が早いのか?と思うような、普通売ってたら当たりだと思うレベルのバナナでした。

今まであまり国産バナナという概念すらなかった自分。

しかし、自動車なんかでも歴史が証明しているように、既にある物を良くする技術力は日本人の誇るべき特徴だと思います。

絶対に食べたことの無いバナナが食べれる時代が来るだろうと想像出来るようになれました。

これらのビジネスは息子さんが始めた事業だそうです。

やはり、息子さんも勉強、工夫を絶やさない、僕の尊敬できるタイプの人でした笑

気づくともりおさんは帰っていて、そこからはゆたかさんの仕事のお手伝い。

軽トラで数キロ離れた街に物を取りに行く。

車内ではゆたかさんに沢山の事を教えていただき、僕の話も沢山聴いてくれました。

ゆたかさんは今では仕事を引退してもりおさん家に遊びに行ったり、息子さんを手伝ったりですが、現役時代はゴカイの養殖で当てたこちらもビジネスマンでした。

このご縁で一番面白かったのが、全く違う生き方をしてきた二人の日常を二日間だけですが覗かせてもらえた事。

お二人とも既に奥さんを亡くされていて、お互い一人だそうです。

毎日、ゆたかさんがもりおさんの家に朝食を食べに来ているようです。

もりおさんは僕には無骨な対応ですが、ゆたかさんに対しては完全にオネエでした笑

そして、お互いがお互いを褒めまくる。

ゆたかさんが「お腹いっぱいだ」と言っても

もりおさんは「何言ってんだ、もっと食べろ!」

僕が東京で感じていた「欲望のtoo much感」の反対がそこにあるような気がして見ていました。

二人は意見も違います。

もりおさんはお遍路さんはしていないそうですが、石鎚山の登山信仰者で季節問わず何度も修行に行っている方。

「歩かなければ修行にならんっ」とおっしゃります。

1日だけですが、言葉少なに語りかけてくるもりおさんの背中に魅せられていた僕。

ゆたかさんの「車で途中まで送るよ」とのお接待をお断りさせて頂いて昼前に歩いてスタート。

しばらく行くとゆたかさんが車で再登場。

「乗せたいから乗ってくれ」なんて言ってくれて断れる筈がありません。

でも道中、以前から知りたかった戦争体験者からの当時の生きた話も聞けました。

ゆたかさんは戦後高度成長する日本の波を乗りこなしてきた人でした。

そういう立場の人の日本の敗戦や外国に対する想いは正直、僕が想像していたそれと正反対でとても貴重なお話を聞けたと思います。

ゆたかさんは道中、いろんな所に立ち寄ってくれて、そこで色んなお接待を頂きました。

で結果、車にてゴールの第37番札所「岩本寺」到着笑

ゆたかさんは相撲を観ると言って、帰って行きました。

お二人には深く強いご縁を感じました。

二人の似て反対の長老から「温故知新」という言葉を学んだ気がしています。

83歳?(確か…)という高齢ですので、早く一周して報告をしたいです。

今回のご縁で僕は更になりたい自分に近づけた気がしています。

みんなが僕の為に出してくれる答えはひとつでない。

でも、みんな僕の為に答えを教えてくれる。

自分の選んだ道以外を進んでも自分の得たい物は得ることができる。

自分で選んだ道だからって欲しいものが得れるわけでもない。

なら、流れに身を任せてその時その時を楽しめるように。

抗っても傷むだけなら抗わずにいなす。

時間の制限や、自分の好き嫌い、色んな感情がそれを邪魔してきます。

その気持ちを客観視し、来るものに身を委ね続けることが出来たら、なりたい自分に慣れると確信し始めています。

@daiyamori

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?