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中年の主張!自己紹介に代えて

今や、ほとんどの人がスマホかタブレット機器もしくはパソコンを持ち、SNSや動画・ブログ等からリアルタイムに知識を得たり、または発信する時代になった。
30年近く前に最新・超高速2400bpsモデムを秋葉原で3万円に値切ってホクホクしながら帰宅し、PC-9801FAで「まいと~く」や「WTERM」等で草の根BBSへアクセスしていた頃を思うと、信じられない思いがする。
誰もがいつでも・どこでもコンピュータを使ってネットに接続し、仕事が出来る時代・・・昔は「ユビキタスコンピューティング」と言ったが、いざ実現されてみると「あれ?こんなモンか?」と肩透かしを食らった気がしないでもない。なぜなら、ITとSEやプログラマといったIT人材への無理解は、30年を経た今も昔も変わらないのだから。
本稿では、私の主張を簡単に述べて自己紹介としたい。

IT人材を軽視し続ける社会に未来はない

私がIT業界デビューした30年前(当時は「IT」や「オープン系」といった用語すら存在しなかったが)、「SEは30万人以上足りない」と言われ続け、その一方で「SE35歳定年説」がマコトしやかに言われ続けていた。
当時はNECのPC-9801帝国時代で、OSはMS-DOS一強であったから、パソコンはある意味「業務専用機」として使われた。私はパソコンのMS-DOS上で動くアプリケーションの開発をやっていたので、ユーザが使いやすく間違えにくい(間違えても簡単にリカバリー可能な)システムの設計・開発に努めていたが、エンドユーザで決済権(納品システムの検収をする権利もある)を持つ課長職以上のオッサンは、「あれだろ?パソンなんてのは、ボタンひとつで何でも出来るんだろ?」と本職のSEの私に平気でノタマう「カンピュータ親父」ばかりだった。
そういった当時40代から50代だった「団塊の世代」は現役を退き、そのジュニア世代である(私を含む)世代が現在40代から50代になっているが、実感として30年前とそう大きく変わらない。
なぜか?その理由を列挙してみよう。

1.企業の中間管理職以上の大多数が未だに「ITが良く分からない」世代
2.IT業界はピンハネ業態な上に「やり甲斐搾取」でエンジニアを潰す
3.日本語が不自由なSEにプログラムは無理

詳細に書くと非常に長くなるが、おおよそ上記3点に問題が集約される気がする。
簡単に述べると、1.に関して「学校でITを習わなかったから」と言い訳するエエ歳こいたオッサン・オバサンの大合唱が聞こえて来そうだが、それを言うなら「ワシもやで?」と言いたい。
実質、企業の中間管理職以上は「会社側」の立場で、もっと言えば予算や売上を管理する立場にいる人だ。そういう人達がITに無理解だと、例えば「業務をITで刷新」しようとしても、予算と期間をケチり、下手をすると「抵抗勢力」になる。
卑近な例で言えば、セブン&アイ・ホールディングスが7payで「やらかした」のを覚えている人は多いだろう。私は同社の内情についてまったく知らないが、スマホ決済をあと付けにした形で実装したのは仕方ないにせよ、スマホでは当たり前の2段階認証を導入しなかったのは、謎を通り越してもはやホラーだ。同社のIT人材が「恐ろしくバカ」なのではなく、予算と期間を設定して執行した経営側の「ITへの無理解」が背景にあるとしか言えない。この例は大問題になったし分りやすいが、30年前から往々にしてこうした「大事故」が発生しているのだ。

また、2.に関して言っても、IT業界の約8割は「ブラック企業」だ。これも長くなるが簡単に言うと、私のようなSEやプログラマが開発する「ソフトウェア」もしくは「システム」はノウハウなので、欲しい人はいくらでも金を積むだろうが、そうでもない人はITについて無理解なので(必要だと認識はするだろうが)大してお金を払おうとしない。それに「ソフトウェア」単体が利益を生む構造にはなっていないし、実質的に値段が付けられない。
これは日本の雇用慣習や労使関係も背景にあるが、「日本型経営」の特徴であった「終身雇用」と呼ばれる超長期雇用が実質崩壊しているので、「社員に投資して育てる」ことを日本企業はしなくなってしまった。それだけ労働市場が流動化しているからでもあるが、同じことがITについても、そのIT人材であるSEやプログラマに対しても言える。
だから未だにIT業界では「人月いくら」の人月単価(1人が1ヶ月作業した際に発生するコスト=金額)による人月商売がまかり通っている。
当然、発注元に近い一次請け(プライムと言うが)がより大きな金額(人月単価)で業務を請け負い、商流が深くなればなるほど金額(人月単価)は小さくなり、末端で請け負った会社の社員が悲惨な目に遭うという現実も、昔からさほど変わりがない。
これはIT業界だけではないが、「仕事が出来る人ほど仕事で潰される」現状がある。出来る人は人の2倍も3倍も仕事をこなしてしまうが、出来ない人には仕事が回って来ないのが真実で、IT業界はこの差が顕著である。仕事が出来ない人ほど非論理的なので、論理的思考で仕事をするIT人材にとっては「天敵」でしかない。
金銭的な搾取もそうだが、こうして仕事が出来る人の「やり甲斐」まで搾取するのがIT業界の常で、毎年多くのSE・プログラマがうつ病等の精神疾患で会社や社会そのものから離脱・脱落している。

最後に3.だが、SEに限らず(老いも若きも)ドキュメントひとつマトモに読み書きが出来ない人が多い。それは多分に「読書しない」からだろうと思われるが、SEは各種設計書を書くし、メール等でプロジェクト内外の人達と連絡を取り合うので、「マトモな文章が書けない」のは致命的だ。
特にシステムの開発現場で打ち合わせ議事録をまとめたり、要求仕様や外部設計、内部仕様書等を作成する際に、「正確な日本語による文章」は必須と言える。日本語自体がかなりの「あいまいさ」を持つので至難ではあるが、コンピュータを動かすプログラム(ソフトウェア)に「あいまいさ」は厳禁であり、「あいまい」な部分がバグとなってシステムを止め、またはセキュリティ・ホールを作り、最悪は損害賠償を請求されるといった大事故につながる。
なのに、日本語が不自由なSEの何と多いことか。日本ではSEとプログラマは職能として明確に分かれていないので、私のようにプログラマを兼任するSEは多いが、日本語が不自由なヤツは、たいがい「大バグ野郎」だ。そして余計な手間や仕事を日々増やして行くのである。(#・∀・)

「専門家は大切にしましょう」

私が言いたいのは、コレしかない。
医師や弁護士が社会的にもコスト的にも「大切」にされているのは、疑いがない。それは命に関わったり、正当な権利を守る職業だから高い専門性が求められるし、経験がモノを言う職業でもあるからだろう。

そ・れ・は・ね!SEやプログラマだって同じ!

この超情報化社会に生きている現代人は、誰がそのITを支えているのか、考えたこともないのだろうか?と思わずにはいられない。
いつまでも社会的・コスト的に低い立場にIT人材を追いやり、その犠牲の上で社会を成立させようとするのなら、そんな社会に「未来」があると思う方がどうかしている
ITが良く分からないなら、自分で勉強するか、でなきゃ専門家に任せれば良い。その専門家にも医師や弁護士にヤブやクズがいるのと同じように、出来る人もいればダメな人もいるだろう。だが、自分が出来ないことをやってくれる人を尊敬したり、大切にするのは至って普通の話である。
別に医師や弁護士と同等の「特権」をクレ!と言っているのではない。あまりに無理解で無理・無茶を言う人が多く、いい加減私も我慢が出来なくなって来ているのである。

このままだと、早晩私はアルコール中毒で憤死してしまうだろう。
大切にしてね?(笑)


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