まだ天鳳の段位で消耗してるの? (0)

タイトルは釣りだが全文無料なので許してほしい。とはいえ、やはり購入してくれると喜ぶ。

さて、

はとても丁寧に説明している記事であるが、それでもなお誤解が絶えないらしい:

と思ったら、誤解によって投稿された記事ではなく、単に誤った記事

と同じ主張だと誤解した第三者がいる、というだけのようだ。

とわかって書くのをやめようかと思ったそのとき:

やはり真面目に考えてみよう。基本に立ち返れば簡単なはずだ。

目的関数

通常ゲームには目的があり、その達成度合いを測る目的関数がある。半荘単位の目的関数の例には、固定順位点 ([4, 2, 1, 0], [1, 0, 0, -1], [1, 0, 0, 0] など), 素点+順位点, レーティング増減, 段位ポイント, アガリ回数, 放出アドレナリン量 などがある。それより大きい単位の目的関数の例には、天鳳におけるレーティングや見かけ段位, 段位効率 (安定段位), 昇段確率, 昇段までに必要な試合数, 大会における順位, それらによって得られる名誉 などがある。

結論

目的関数は好きに決めて、最適戦略は自分で考えろ。

で終わりになってしまうとよくないので、きちんと考えて書くことにする。

昇段確率がすべてか

天鳳プレイヤーというもの、

天鳳位をゴールとして常に昇段を目指すもの

という姿勢は理想的であるように思えるので、これは認めることにする。一方

昇段を目指すのであれば、当然そのまま
"昇段の確率を最大化する"
ことが最適戦略である。もう一度言うがこれこそが最適戦略である。テストで聞かれたときはこのように答えよう。

との間には、昇段や天鳳位までの経過が考慮されていないギャップがある。各段位において昇段の確率を目的関数として (もちろん独立に) 最大化することは「試合数を無視したとき、ストレートに天鳳位になれる確率」を最大化することにはつながる。しかし、通常のプレイヤーがこなせる試合数には限界があるし、ストレートでなくても天鳳位は天鳳位だ。

これが最適戦略を左右しうるギャップであることを示す例は読者への練習問題とする。次のような数値例 (N, U, V) を見つけよ:

P(p, n, m, n') を「十段からは確率p で n試合で天鳳位昇段、確率1-p で m試合で九段降段する。九段からは確率1 で n'試合で十段昇段する」ときの「ストレートに天鳳位になれる確率」とする。Q(p, n, m, n'; N) を同じ条件での「N試合以内に天鳳位になれる確率」とする。このとき「P(U) < P(V) かつ Q(U; N) > Q(V; N)」が成り立つ。

ここでの Q が、昇段や天鳳位までの経過を考慮した目的関数のである。もちろん本来 n, m, n' は単なる数値ではなく確率分布だし、九段より下に降段することもある。これらの点が気になったら詳しく考えて教えてほしい。

ここまで

天鳳位になれる確率を中心として、各段位からの昇段確率のみを考えることについての疑問を投げかけた。

一方、冒頭に挙げた chanpukin さん (か chanpuku さんか、どちらでお呼びすればよいでしょうか?) の記事は各段位からの昇段確率のみを考えるという仮定のもとでは非常に正しい。

つづく

つづく確率は1であることを保証する。だが、それまでにかかる時間については何も保証できない。

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