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モロッコヨーグルの容器について問い合わせた話。

駄菓子屋さんにある、小さな容器に入ったヨーグルトのようなお菓子、モロッコヨーグル

実はこの商品、1961年から愛されるロングセラーなんです。

なぜ「モロッコ」なのか

なぜ「ヨーグル」なのか

理由を聞いたことがあるのですが忘れてしまいました。

追記:「ブルガリアヨーグルト」を意識している説がある。

しかしなぜゾウのキャラクターが描かれているかは諸説あるそうです。

「商品の容器の形状がゾウの足に似ているから」

「子どもたちにゾウのように強く育ってほしいから」という説が確認できました。

さて、久々に駄菓子屋に立ち寄った私はその懐かしいフォルムに魅了され、

モロッコヨーグルを複数鷲掴みにしてレジに走っていきました。

容器に潜む謎(?)

食後ふと気になったことがありました。

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容器に書かれた文字…商品名から察するに「モロッコ」と読むのでしょうけれど、「モヨッコ」にも見えるような…これ、ミスなのだろうか?rがYに見えるような…?

複数の容器を確認したところ、当然ですが全てが同じ表記でした。

これは誤字なのか?それとも意図的なものなのか?だとしたら何故…?

居てもたってもいられなくなった私は、早速容器の印字についてサンヨー製菓さんにハガキで質問することにしました。自分の目の錯覚だという可能性を1ミリも考えずに…。

お返事をいただきました

後日、サンヨー製菓さんからお返事をいただきました。

企業に素朴な疑問を問い合わせることはこれが初めてではないのですが、毎回各企業さんからお返事をいただく度に「忙しい中こんなアホな問い合わせにも真摯に向き合ってくれてありがてえな〜」と手を合わせてしまいます。

しかも今回はご丁寧にモロッコヨーグルのゾウのストラップまで同封してくださって…!

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一時期、企業がこういったオリジナルストラップを作るのってすごく流行っていた気がします。非売品なんですよね。こういう形状のストラップはガラケーについているのをよく見かけました。

さて、此度は紐付きの「ストラップ」「キーホルダー」の豪華2点セットなのですが

ご覧ください、この青々としたゾウ!モロッコヨーグル本体の容器と並べるとこんな感じ。

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この子は鼻にモロッコヨーグルを持っているのですが、キーホルダーとストラップのゾウでは、持っているヨーグルの蓋の色まで違うんです!下写真の右が黄色で、左がピンク系ですね。すごい。めちゃくちゃ細部にまでこだわっていらっしゃるではありませんか…これは全色集めろという啓示では…?

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明かされるモロッコヨーグルの真相

予期せぬプレゼントに浮かれておりましたが、

もちろん本題を忘れちゃおりませんよ。

同封の手紙にて容器印字の謎について丁寧なご説明をいただきました。

大文字の『MOROCCO』ではなく、小文字の『morocco』なんです。

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…あああ!確かにそうですね。仮に「モヨッコ」だとしてもYだけ大文字ってことになるはずですし、小文字の単語の途中が大文字っていうのもなかなかあり得ませんよね。盲点でした…

さて、「モヨッコ」は完全に私の見間違いだということが明らかになりましたが、どうやらこのr印字にはYに見えなくもない理由がありました。

50年以上前に容器の金型を作成しました際、当時の技術では複雑な『R』よりも小文字の『r』としましたが、文字サイズも小さくカーブが出来ずに右側を短くして『r』表記にしたものになります。
長く親しまれてきました当時の趣を大切に、現在も当初の表記を引き続き再現しております。

なるほど!初期の風合いを引き継いでいたんですね。当時の技術の限界が逆に「味わい」として愛されるみたいな…。

言われてみればモロッコヨーグルの箱のレトロ感からもそのリスペクト具合は伝わってきます。初期からほとんど変わっていないような鮮やかな風合い…最高ですね。(公式サイトにパッケージの変遷が載っています

そして容器の小さな印字にまで当時の趣を残すという、細部にまでのこだわり…!これは質問してみないと気づけないことでした。聞いてみて良かったです。

さて、今回はロングセラー商品『モロッコヨーグル』の容器についての問い合わせと御返事をシェアさせていただきました。(問題あれば消します)

いくら客とはいえこんな暇人の問い合わせにも構っていただけたことが何より嬉しかったです。

モロッコヨーグル、箱買いしよ…


参考

サンヨー製菓株式会社公式HP http://www.yogul.co.jp 

初見健一『昭和のレトロパッケージ』、グラフィック社、2016年、42頁


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