バカの三原則

俺は今、ものすごい数のサンプルと接している。バカかどうかは感じ方次第なので、あくまでも俺にとって「バカだな」と思わせる人間の話だ。そしてこれから書くことは自身がそうならないための戒めであり、決して彼らを貶める目的ではないことをまず明記しておく。

さっそく本題に入ろう。まず一般的に使われているであろうバカという言葉についてだ。
知識量が少ない、頭の回転が遅い、記憶力が弱いなどの人に対して使われるのが一般的だが、今回の俺が話したいバカの定義にこれらは当てはまらない。結果として当てはまることはあるが、前提ではない。
そしてこれらをバカの定義に加えると、まず一番目に俺が当てはまり、死んでしまう。死ぬのは嫌なので当てはめない。俺は俺を全力で棚上げする男だ。そして一旦上げたものを下ろすことを潔しとしない男だ。

まあその程度の人間が書くことなので、気負わずに軽く読んでいってよ。


1・少し考えれば分かることなのに『少し』の手間を省こうとする
はい、まずこれ。「ちょっと考えたら分かるだろ」ってこと、山ほどありますよね。「考える」を「想像する」に置き換えてもいいです。赤信号を渡るとどうなるか?答えは車に轢かれますね。少し考える、想像する力があれば簡単というか当然に分かることだ。なぜこうなっているか、を考えることができない。

例を挙げるとするなら、「お名前」と書かれて記入欄が二つに分かれていたとしよう。
あなたはどうするだろうか。

ほとんどの人は『苗字』『名前』と二つにわけて記入するだろう。しかしそうではない人はいる。彼らはどうするかというと、どちらにもフルネームを記入する。これは『少し』考えれば分かるのではないだろうか。
そして例え優しく指摘した場合でも、「そんなの分かるわけがない、きちんと説明されていないのが悪い」と憤る。ここでも指摘した側の気持ちを『少し』考えれば分かる。そんなこと、できるならば言わずに過ごしたいはずだ。それでも間違える方に優しく教えて差し上げようと思っても「自分は悪くない。説明が無いならそちらの手落ちだ」と言わんばかりの話し方をされると、指摘した側だっていい気持ちはしない。


2・説明を聞いていない、理解しようとしない
説明とは人に分かりやすいように順序立てて話すことだ。しかし説明する側がいくら苦心惨憺し、分かりやすさを心掛けたとしても、相手が聞いておらず、また理解しようとしなければ通じることはない。マジでこれ勘弁して欲しいっす。
例えばお店やシステムを説明する場合、各々に何度も同じことを繰り返すのではなく、「この説明だとここで躓く人が多いな、じゃあもう少し分かりやすい言い回しにしてみよう」とか「これはあえて先に言わなくてもいいんじゃないかな、説明の終盤で言った方が分かりやすいかな」とか、結構考えている(たぶん。俺はそう)
しかし、聞いていないとか分かろうとしない人には何もかもが空虚である。そんなものは独り言と同じだ。
相手の興味がないことを無理矢理説明するのはよくない。でも、必要なことを必要な情報量として発信しているのだから、それは聞いてくれよと思う。


3・理解していないのに進めようとする
2の発展形とも言えるこの形。一通り説明が終わった後に「じゃ、これをこうすればいいんでしょ?よくわからんけど」みたいな。
わからんなら、聞け。
聞いたら、理解しようと努めろ。
逆に聞きたいけど、分かってないのに何をするつもりなの?
理由は分からないのだけど、「要するに~」から確認作業を始める人は要せていないし理解していないことが多い。なぜだ。


簡単にパターン化するとこのような形になるが、どれかに当てはまれば、90%以上は複合型だと考えて差し支えない。その場合、徹頭徹尾うんざりしながら対応するしかない。俺の場合、金をもらっている業務だからできるけど、そうじゃないなら絶対関わりたくないな。

冒頭にも書いたが、知識量が少ない、頭の回転が遅い、記憶力が弱いというのを俺は問題視していない。ほんの少し考えることができて、人の話を理解してから進める人間がいたとしたら、俺はその人のことを全くバカだとは思わない。むしろ聡いと思う。全ての事柄で淀みなくこれができる人間は一握りだと思う。

考え、理解し、進める。言葉にすればひどく簡単なことだが、実践するのは難しいのかもしれない。俺にだって至らない部分は多々ある。いや、至らなさだらけだ。だから改めていきたいと思うし、こんな文を書いたりして自分を戒めてみたりする。

生きていく上で、誰かに教えを請わなければならない場面は多々ある。
徒然草に『少しのことにも、先達はあらまほしき事なり』という一文がある。
ほんの少しのことでも、指導してくれる人がいたらありがたいなあ~、みたいな意味だ。
そう、教えてくれる人がいるのは、ありがたいのだ。

そのありがたさを享受するためにも、相手の手を煩わせるような人間でいたくないなと思う。頑張っていこうぜ。


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