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イスラエルの砂漠を散歩してたら戦争が始まった話⑦10/8(日)脱出編1st

おはこんばんにちは。れんちょんと申します。

いよいよ脱出編です。

死海ホテルの朝、爽やかな目覚め。早速Twitterで昨夜のニュースを調べます。


ヤバランチ


なんだかんだ今までの小規模な紛争と同様に、昨日だけで停戦するのかなあという希望的観測もありましたが、そうは問屋が卸さないようです。

改めて状況を整理し、今日中に何としても出国するぞという決意を再確認しました。

なにはともあれ、まずは朝食。リゾート地のホテルなので、ご飯つきなのがありがたいです。


メロンとスイーツ、最高です😸


ええやんええやん〜



目の前で焼いてくれるチーズ入りオムレツは最高です!


ヨーグルトとシリアルです


焼き菓子あまあま

そもそも今日予定通り飛行機が飛ぶのかどうかも分からない状況だったので、万が一の場合を考えて、爆食いして食料を体内に蓄えます。ビュッフェ形式なので食べ放題、死海グルメを思う存分堪能しました。


気分は食没


ホテルを後にし、とりあえずは乗り継ぎでベン・グリオン国際空港があるテルアビブ方面を目指します。

もちろん予定の便は普通に乗り過ごしましたが(???)、今回は本当に乗り過ごしただけで特にメリットはありませんでした。近くのマクドナルドを眺めながら次の便を待ちます。


限界立地マクドナルド

バスを待っていたら怪しい個人タクシーに誘われたりしましたが、英語が分からないフリをして乗り切ったりしました。知らないおじさんの車に乗ったらダメだということは、小学生でも習う常識です。大人しく次の便を待ちます。

Apple Pay万能

待ち時間が暇すぎて、イスラエルの交通系ICカード、Rav-Kavカードに、アプリとNFCスキャンを用いて、Apple Pay経由でメルカリの残高でチャージする手法を編み出したりしてました、結果的に、この手法で乗り換えが少し時短になったのでバスを乗り過ごしてよかったかもしれないです(過去のミスを無理やり肯定しがちです)


無事バスに乗れました✌️
グッバイ、死海ギャル
車窓です、荒野です

バスに乗れたものの、窓から見える景色はまさに砂の惑星と言ったところで、明らかに人間が住むには適してない光景です。しかしながらこのような場所を終の住処とし、どうにかして開墾し永遠の繁栄を望んでいる方々が暮らし、暮らそうとしていらっしゃるわけです。改めて宗教的・民族的情熱というものは現地に来ないと体感できないものだなあ、和辻哲郎の「風土」然り、土地というものは我々の精神に深く影響を与えると同時に、人間自体が土地に「根ざして」暮らすわけで、そういった相互作用が文明を創ってきたのだと、極めて当たり前の事実を身体的体験を通じて実感しました。

原初の文明、メソポタミア文明の発祥地に比較的近い場所でも未だに生命の影が薄い荒野なわけです。つい1世紀前から現代のピーター・ティールやイーロン・マスクに通ずる思想体系、ロシア宇宙主義の文脈、シンギュラリティの文脈においては、人類の火星移住やテラフォーミングについて真剣に論じていますが、少なくともぼくが生きている間は絶対に無理じゃんよ〜、と言った感想を抱かざるを得なかったです。

ときに、イスラエルはスタートアップ大国、国民全員がコンピュータサイエンスに習熟している先進的な国家だ、と紹介されることも多々ありますが

実際のところは、ソフトウェアエンジニアリング等の比較的原資が少なくて済むビジネスや、最先端の学問にフルベットしないと国家として成り立たないからそうせざるを得ないだけなのかもしれないな、とも感じました。

そう思うと、日本は本当に豊かな水や森林に恵まれながらも海洋資源もある島国って国ガチャに恵まれてるな〜、と。(あえて親ガチャ国ガチャなどの批判的な単語を用いています)

バスを降り、鉄道に乗り換えます。駅でコカ・コーラを買いました。

実は、中学生の時から所謂「カゲプロ厨」なので、主人公(諸説ある)のシンタローの好物であるコカ・コーラがまあまあ好きなのです。

あとまあ普通に美味しいし万国共通だし

日本円で400円です 中東は飲み物が高いです

すると、まあ当然なのですがイスラエルの各地方から招集された予備役の軍人たちが続々と鉄道に乗り込んでいきます。


うつ病みたいな面持ちでした(うつ病をバカにしてるわけじゃなく、当時の素直な感想です ぼくもうつ病です)


おわかりでしょうか。奥で軍人さんが話してます。


かっこいい車両ですね。


女性の軍人も数多くいます。


Rav-Kav周り、デザインがかっこいいです

無事鉄道に乗ることに成功しましたが、駅前ではこれから兵役に向かう(軍務に向かう?)であろう若い男性が、泣きながら父親とおぼしき人物と抱き合う光景なども散見されました。やはりどんなに厳しい訓練を積んでいるとはいえ、実際の戦場は次元が違います。迎撃し損ねたロケット弾が落ちてくるだけで、今までの人生の過程や善行悪行、そんなもの一切関係なしに、容赦のない死が降りかかってくるわけですから。

流石のぼくも、その姿をカメラに収めるなんてことはできませんでした。これが戦争というものです。


充電できるとこではちゃんと充電します。スマホは命です。

鉄道内は、ぼくと軍人しかいませんでした。普通ならアウェー感を感じそうですが、ぼくは小学校の時からクラスのみんなからずっと遠ざけられていた過去があるので全然余裕でした。

というか、よく考えたらこのタイミングで死海からテルアビブに向かう民間人ってほぼいないわけで、この兵士の写真とかかなり貴重な気がしてきました…


方向性です


🕊

途中で止まった駅で、3つの言語で平和を願っている鳩の壁画が目に入ってきました。しかしながらこの惨憺たる戦況の前では、その願いは為す術もなく、ただの壁画にすぎません。

けれども、ぼくにはその"PEACE"という文字が、じっと、じっとこちらを見つめてるように感じました。




次回に続きます。


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