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ペアダンスのコミュニケーションとして基本的なこと

社交ダンス、アルゼンチンタンゴ、ハッスル、サルサといったペアダンスには大きく2つの要素がある。それが「プレゼンテーション(表現)」と「コミュニケーション(交流)」である。
そして軽視されがちなのがコミュニケーションの方だ。ダンサーたちはプレゼンテーションのための技術をどんどん磨いてはいくが、コミュニケーションの技術は磨かないままの場合が多い(人に関心があるからペアダンスをしているのだろうに…)。コミュニケーションの技術を磨かないままというのは、「人間関係で痛い目にあったら経験から学ぶが、能動的に知識と技術を学ぼうとはしない」ということである。

ペアダンスというのは、一定レベルの信頼がないといっしょに踊るのはむずかしい。相手が暴力を振るう人だったらどうしよう、暴言をはかれたらどうしよう、と不安になる信頼レベルの相手と体を預けあっていっしょに踊ることはできないだろう。そのため、良好な人間関係を築いていく意志はなくてはならないものだと私は考える。

そこで今回は、人間関係で痛い目にあうまえに知っておきたい・おけばよかった、ペアダンスでのコミュニケーションの基本をいくつか紹介していこうと思う。
なお、今回の記事でのペアダンスのコミュニケーション相手は「異性」である、とここで定義しておく。これはLGBTQへの配慮のない記事である宣言ではなく、問題の単純化のためであるとご理解いただきたい。

異性として接するまえに、まず人として接しよう

・相手が異性だからあいさつができない
・相手が異性だから目を合わせられない

異性経験が少ない方にとっては仕方ないことかもしれないが、同性にそういったことをされたとしたら、良好な友人関係を築くのはむずかしいのではないだろうか。
相手を対等な「人間」だととらえ、まずは同性と良好な友人関係を築くつもりで異性とも接しよう。
相手が「異性だから」はずかしくてうまく接することができないのであれば、「異性だから」を一旦なんとかして意識から外そう。「相手は恋人候補としてあなたの前にいるわけではない。共通の趣味をもっていて話が合う可能性のある友人候補だ」のように考えてはいかがだろう。友人候補として思えないまでも、少なくとも相手はあなたに危害を加えるためにあなたの前にいるわけではないから緊張しなくて大丈夫。
あいさつしたら相手はうれしいだろうし、目があったらたのしくお話できそうな気がしてくるだろう。
「異性」という意識を外してちょっと勇気をだして行動してみれば、相手はもっとあなたにやさしくできるかもしれない。

ここまで読んで、「異性を異性として見ないなら、じゃあセクハラはOKなんだな」と曲解されては困るので補足しておくと、相手がされて嫌なことをするのは、相手が異性だろうが同性だろうが当然ダメである。

相手の名前を呼ぼう

相手の名前を呼ぶことは大事である。それはその人の存在を認めることにつながるからである。
初対面ではまず相手に、呼ばれたい名前を聞こう。それは本名である必要はない。自分の本名を気に入っていない人もいるため、呼ばれたい名前を呼んであげるのが大事だ。名前を聞いてたとえばフルネームが返ってきたりしたら、「普段友だちからはなんて呼ばれてるんですか?」のように聞いてあげるとよいだろう。
相手の名前を覚えられなかったら、次回には「すいません、顔と名前を覚えるのが苦手で…。前回お会いしましたよね、あらためて私の名前はxxです。もう一度お名前を聞いてもいいでしょうか?」のようにもう一度聞いてみるとよいだろう。聞かれたら「そんなにすぐには覚えられないですよね。徐々にで大丈夫ですよ」のように快く何度でも答えてあげよう。

仲良くなるためには、まず質問しよう

相手に質問をするというのは「あなたに興味があります。あなたのことを教えてほしい」ということを意味する。これは恋愛に発展させるために必要なことでもあるが、良好な人間関係を築くために必要なことである。
そして質問に対する答えが返ってきたときにあなたがすべきことは、共感することである。
完全には共感できないことでも、まず受け止め、受け入れる。「なるほど、あなたの考えはそうなんですね」と。そしてほかの質問をしたり深掘りしたりして、より共感できるポイントを探していく。
その質問と共感をお互いがバランスよくできれば、良好な人間関係ができていくだろう。

相手は自分を映す鏡

・相手が落ち込んでいる気がする
・相手の機嫌が悪い気がする

相手に笑顔で機嫌よく接してもらいたかったら、自分がまず笑顔で機嫌よく接しよう。
機嫌が悪い相手と踊って自分も楽しくなくて機嫌が悪くなり、そうしたら相手から「なんでそんな不機嫌に踊ってるの!?」と怒られる、というのはこの界隈で稀によくある話である。理不尽の極みだ。
自分が笑顔で接すれば相手も笑顔になってくれる、そんな好循環を目指そう。

異性を同じ人間だと考えてはいけない

さっきと言ってることが真逆じゃないか、と思うだろう。
ベスト・パートナーになるために ― 男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた』という有名な書籍があるが、「相手が自分と同じように考え、同じように行動することを期待すると異性関係はうまくいかない」といった内容である。
男性特有の考え方、女性特有の考え方というのがあるので、こういった本で積極的に学ぼう。
相手に過度な期待をすると、期待通りにいかないことで裏切られたと思って相手を嫌いになったりする。しかし、「違う(different)」と「悪い(wrong)」は別物だ。そのふたつをイコールとして考えてはならない。自分と違う考え方をする人がいる、ということを受け入れられるようになろう。

おわりに

私は、ペアダンスは世界平和につながると信じている。
人と人が手を繋いで笑顔で踊る、こんな素敵なことが広がっていけば、世界はもっとよくなるのではないだろうか。
しかし、良好な人間関係を築くためにはお互いの努力が常に必要であり、それなくして「みんなが仲良くする」なんてことはできないのだと私は思う。

昨日よりちょっとだけ、人にやさしくなるために行動できる方が増えたらいいなと思い、この記事を書かせていただきました。
最後に、人間関係を学ぶのにおすすめの本を掲載しておきます。


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