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⑧モモナ兎とキャンプする

ちびウサギ達はそれぞれの夢を語り始めました。
「私はパン屋さんみたいなおもち屋さんを開きたい」
「おいら、流しの餅つき屋になる」
「あたしはお餅教室の先生になるの」
「ぼくはモチバーをやってみたいな」
「ウチはカフェ」
「俺、モチ屋台やる」
「……師匠と一緒にお餅の定期お届け便やります」

みんなが繋がっている、その目印が七色鏡餅。
ウサギ達のおしゃべりに聞き入っていると、まるるが小刻みに揺れ始めました。 モモナのリュックが震え、中をの覗くと葉っぱがカサカサ鳴っています。 昨日キャンプをした原っぱの大木、木じいからの贈り物。 「モモナ、その葉っぱをぼくに当ててみて」 不思議な事に、まるるから声が伝わってきました。 「木じいなの?え?うん、うん、わかった」 木じいからの伝言を伝えると、ウサギ達のおしゃべりは止まらなくなりました。
あっという間に日が暮れ、たき火に皆が集います。
ぜひ原っぱにおもち屋さんを開いて欲しい。
木じいから言われ、ウサギ達は二つ返事で引き受けました。
星がきらめき薪が燃え尽きるまで話は続きました。


その夜はモモナと、まるると、生まれて初めてテントに泊まって大喜びのウサギたち。
ギュウギュウになって眠りました。

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