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カエル雨に大いにウケル

雨です。
今日はポニー便もお休みらしく、庭の向こうの小道は静かにけぶっています。
聞こえてくるのは雨音と、カエルのケロケロなく声だけ。
ケラケラ、ケラケラ、ケラケラケラケラ…………
ケラケラ?
カエル?
窓を開け、下をのぞくと、カエルが壁に張り付き……
「笑ってる?」
「だって、雨が雨が」
そうね、カエルにとって雨は恵み。
「だって、ケラケラ、雨が、ケラケラ、ぴちょん、ぴちょんて、まじうける~!」
そう言うと雨なのか、涙なのか目元をぬぐいます。
「ちょ、変なやつとかじゃなくて、カエルになったばっかで、初めて聞いて、雨の音。水の中とぜんぜん違くて、やば~って、あ、あたしのことはケラって呼んでい~よ」
「ケラさん?」
「ケラで良いって」
「池があると良いなと思って作ったの、私」
「そうなんだ!良い仕事したじゃん」
「あ、ありがとう」

それから雨が土砂降りになると、ケラさんは、ゲラゲラゲラゲラ、腹をかかえて笑い転げていました。



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