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12. 数学対策は…

筆記試験対策をはじめて2週間で、英語、国語、社会、理科の4科目は、正答率がぐんぐん上がり、基礎的ことが理解できるようになりました。しかし、
残る1科目の数学は、全くお手上げ状態のままでした。

試験まで10日あまりになった頃、次女が

「今度の日曜日に、選抜一次試験に合格した友達が、数学を教えてくれるっていうから、友達の家に行っていい?」と尋ねてきました。

次女は切羽詰ってクラスの友達に、数学が解けないことを相談したら、友達が喜んで引き受けてくれたのです。

「頑張ってくるね!!」
次の日曜日、数学の過去問題のプリントとノートに筆記用具、お菓子をかばんにつめて、次女は元気よく家を飛び出していきました。

”全部じゃなくていいから、今より少しでも数学の問題が溶けるように慣れるといいなぁ~”と思いながら私は次女を送り出しました。

しかし、夕方、次女は力ない声で「ただいま」と言い、うなだれて帰ってきました。

「おかえり。どうしたの?説明を聞いてもわからなかったの?」

「勉強にならなかった」

「勉強にならなかったって、教えてもらえなかったの?」

「みんながね、おしゃべりに夢中になって結局何にも出来なかった」

と、次女は泣きながら事情を話してくれました。
友達のうちで、まだ合格していない次女ともう一人の友達を、合格した2人の友達が教えてくれることになっていたのですが、その3人が勉強そっちのけでお菓子を食べながら話に夢中になっていたらしいのです。

内気な次女は、「教えて」とは言えず、そのおしゃべりに付き合っていたようでした。

中学3年生の友達関係なんて、そんなものなんだろうなぁ~と思っていたので、驚きはしませんでしたが、せっかくここまで頑張ってきて、数学だけが悪くて不合格になるのも、あまりにも残念です。
でも、私の力はここまでが限界でした。

「数学が全然出来ないわけじゃないんだから、出来るところで確実に点数が取れるようにしてみよう。まだ時間はあるんだから…」
自分でも、全然説得力のないアドバイスだなとは思いつつ、次女と一緒に落ち込んだ日曜日になりました。


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