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なぜメモを取るのか?

昨日は、専門学校の講義初日でした。良いスタート切れて、次の講義を待ち遠しく思っています。

今年も学生たちとレポートを介して1対1のコミュニケーションを行っています。
講義を受けた気づきや感想、自己紹介、日ごろから気になっていること…etc
「何でもいいので自由に書いてくださいね!」と伝えています。
提出されたレポートを読むと、講義を受けるときの態度や表情からは読み取れないことが、たくさん書いてあり、その傾向は年々強くなっています。携帯電話やスマホが普及したことにも関係あるのかもしれません。

多くの学生が「コミュニケーションが苦手なんです」と声をそろえて言いますが、レポートには、一人一人の個性が感じられ、楽しかったことも悩んでいることもすべて、自分の言葉で書いてあり、コミュニケーションが苦手ということは微塵も感じられません。
コミュニケーションをとるときに大切なのは、テクニック以前に、
「伝えたいことがある」「伝えたいことを持っている」ということです。
レポートを1枚1枚ゆっくり読みながら、いつも「出来ない」のではなく「まだスキルが備わっていないだけ」と思っています。

昨日のブログにも書きましたが、多くの学生が「ノートの取り方がわからない」と悩んでいました。

「先生が黒板に書いた内容を書き取っても、後でそれを見た時に何のことがわからないんじゃない?」
「もし、全く黒板に何も書かない先生だったらどうするの?」
この2つの問いかけに、学生の表情に変化が見られました。

23年、学生たちとレポートを介してのやり取りを続けていますが、年々、レポートに何をどのように書けばよいのか?がわからない学生が増えてきていたのも事実でした。
そこで、昨日は、ノートやレポートをどのように活用するかについて講義を行いました。

「ノートに何を書いたのか意味不明だったら、レポート試験や定期試験で困るんじゃない?」
「先生の話し方が、いつもわかりやすいとは限らないよね。聞いてて迷子になることがあるんじゃない?」
「ノートをとった方がいいのかわからないときがあるんじゃない?」

私の問いかけに、教室のあちらこちらで頭が縦に動いているのが見えました。
メモやノートは、何のために取るのか? 目的がわからない学生が半数以上。しっかりノートは取っているけれど、読み返したときに何を書いているかわからなかったり、テストやレポート作成などに活用できていない学生も多くいました。

昨日は、講義の合間に、「では、ここまで話を聞いて、気づいたことや大切だと思ったポイントをレポートの上に書いてみてください」と伝え記録する時間をとりながら講義を進めました。
同時に、提出してもらうレポートの使い方も具体的に説明しました。
その結果、全員がレポートの半分以上のスペースに、大切なポイントや気づいたことが書けるようになっていました。

学生たちの多くがレポートに大切なポイントとして書いてくれていたことがありました。それは
「メモは忘れるために取る」

ということ。このことが腑に落ちたから、大切だなと思ったことを自主的にせっせと書いてくれていたのかな?と思いました。

研修や改善指導で伺ったときにも、「最近の新入社員や若手社員が、メモを取らないんです」と相談を受けることがあります。
その相談をする担当の方が、私の話をメモも取らずに聞かれているということも多いです。自分が実践していないのに、人にどうこう言っても、説得力がないですよね。

絶対にメモを取らなければいけないわけではありません。メモを取っていても、取ることが目的になっていても意味がありません。
何のために必要なのかが、自分自身明確に理解できて、実践しその効果を実感できていれば、相手にもメモを取ることが提案できるはずです。

私がなぜメモを取ることを大切にしているか?は5つあります。

①忘れるためにメモしている
②思い出すためにメモを活用している
③考えるためにメモを活用している
④話を理解するためにメモに整理しながら聞いている
⑤自分の伝えたいことが伝わるように、メモに書いて活用している

メモだけに限ったことではありません。何でも目的や重要性が理解できているから習慣化し成果につながるのだと思います。

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私も、昨日提出してもらったレポートに、早速ワクワクしながらコメントを書いています。

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