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書けない、話せないはちょっとした理由から

一昨日は、中学校で授業を担当させていただきました。高校受験を控えている中学3年生の授業で、テーマは「自分にしか書けない志望動機」です。

「①高校の志望動機、②3年間で頑張ったこと、③自己PR(1分)」について発表できるようにすることが授業の目的でした。

先週の金曜日、その内容を考えている授業を見せていただきました。
ほとんどの学生が、原稿用紙を前に何もかけていませんでした。私の授業が始まる前に、先生方に伺うと、状況はほとんど変わっていませんでした。

授業は2クラスを2時間ずつ担当することになっていました。
最初の1時間で、3つの内容を考えるポイントを説明し、一番まとまっていない内容ごとにグループを作ってもらい、
グループごとに作成や発表のフォロ―を行っていきました。

3つの内容がある程度まとまっている生徒たちは、担任の先生方に発表の練習を見てもらうようにお願いし、私は、志望動機が書けない生徒の指導を中心に行いました。

生徒たちの話をよく聞いてみたところ、
「原稿用紙にどう書いていいか分からないから、書けない」という状態。

そこで、
「どのようなきっかけでその学校を知ったのですか?」
「関心を持って調べて分かったことは何ですか?」
「その高校で、3年間どのようなことに力を入れて過ごしたいのですか?」という質問をしながら、考えていることをメモしてもらいました。

するとその簡単なメモだけで、原稿用紙に何も書けなかった生徒が、志望動機を話せるようになりました。

書けないだけで、みんな、いろいろな体験や自分の考えをしっかり持っているのです。
「書き出しはどうすればいいかわからない」
「うまく繋げられない」
「うまくまとまらない」
そのような気がかりが、体験や考えについて表現することに蓋をしていたのです。

2時間目は、メモ書きしたものをもとに、何人かに発表してもらいました。志望動機が書けなかった生徒の発表には、みんな自然に拍手していました。

ときどき、あまり書けていなかったり、うまくまとまっていない生徒に無茶ぶりもしましたが、

「え~~~~無理です~~~~」と言いながらも、
考えていることを一生懸命発表して、皆から「すごい!!」「とってもいいよ!!」とコメントをもらって嬉しそうでした。

原稿用紙に整理したものを発表してくれた生徒から、その人らしさが伝わってきましたが、考えながら話している生徒たちは、その人らしさに一生懸命さが加わり感動しました。

「私たちが、これまでいろいろ話を聞いても、何も出てこなかった生徒から、本人らしい体験や考えを引き出してもらえて、すごいです!!」
発表を聞いてくださっていた先生方も感動されてました。
でも、私はただ、いろいろ話してもらいながら「それいいね!!」「○○さんらしいよ!」と伝えただけなのです。
生徒たちはそこから、自分の体験したことを具体化し、考えを整理しただけなのです。

2時間の授業が終わるころには、ほとんどの生徒が3つの課題を完成させていました。
完成させるだけでなく、お互いの内容を一緒に考えたり、聞き合ったりするのが楽しかったのか、授業の終わりにはみんなイキイキとした笑顔になっていました。

6時間ぶっ通しの授業でしたが、私もみんなのがんばりに刺激をもらい、ずっとワクワクしっぱなしの1日でした。

3年生の生徒たちとは、8月に、町内のイベントに参加し、3年間取り組んだ内容を発表するためにプレゼンの授業を担当しました。
仕事のご依頼は、8月のその授業1回だけでした。

しかし、校長先生や担任の先生から、面接指導もお願いできないか?というご相談を受け、今回の授業に繋がりました。

そして、今回の授業後の振り返りの中で、来年は、2年生の総合の授業と3年生のプレゼン、面接指導の授業を担当させていただくことが決まりました。

また、3年生の中で、公立の進学校を受験する生徒たちの面接試験前の指導も担当させていただくことになりました。

講師の仕事をはじめて31年。私は、仕事を始めた当初から、営業活動を一切行わず、リピートとご紹介だけでこの仕事をずっと続けています。

大切にしているのは、ご依頼いただいたお仕事を、期待を超える内容を提供し成果につなげていることです。
一つのお仕事が終わったときに、「また受講したい」「今度はこんなテーマで担当してもらいたい」という皆さんの声によって、仕事が拡大し、発展していきました。

「頼まれごとは試されごと」です

私に今、何が求められているのか?どのようなことを提供させてもらったら、皆さんの進化や成果につながるのか?私が全力を注いで行えることは何か?背伸びをするわけでも、無理をしているわけでもありません。できることに集中し、熱意を持って取り組んでいるだけです。

何よりも、私がワクワクしながら、皆さんの進化に携われていることを幸せに思っています。

「生徒たちの何人かは、また大西さんに会えるとわかると、きっと大喜びすると思います」打合せの最後に、学年主任の先生がおっしゃったことばがとても嬉しかったです。

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