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僕たちが渡せたことは何かありますか?

先週の昨日は、専門学校の6回目の講義でした。
今年から、後期だけでなく、前期も講義を担当させていただくことになりました。

毎年、5月から8月は、研修と店舗改善指導が集中する時期で、講義日数の8日を確保するのは大変でした。講義だけではなく、講義の終わりに感想レポートを書いて提出してもらい、次の講義までに、コメントを書いて返すことにしているので、その時間の確保も必要なのです。


約60人の感想レポートに、コメントを書くには、5時間から6時間が必要です。研修や講義、その準備と並行して、コメントを書く時間をどこで捻出するかは一苦労です。
でも、やると決めたら必ずやる!ただやるのではなく、とことんやる!というのが私のポリシーです。

感想レポートの提出は、昨日が最後でした。
毎回、レポートを介してのやりとりを続けていると、皆の、講義に対する姿勢が変わってきます。

一番に変わるのは、あいさつです。
みんな、教室への出入りのあいさつをハキハキ行ってくれるようになります。

感想レポートを1人ひとりに手渡しするときの表情がにこやかになり、「ありがとうございます」の言葉にもレポートが返ってくるのを楽しみにしてくださっていることが伺えます。

ワーク中に声をかけて回ると、あちこちで立ち話に発展するのも嬉しい変化です。

そのワークは、5月に講義を始めた頃は、隣の人にもなかなか声がかけられなかったようでしたが、今はすぐにワークが始まるようになりました。

感想レポートを介してのやり取りもどんどん変化していきます。のびのびと気づいたことを書いてくださっていますが、自己開示が進んでいくのです。 書かれてあることを、しっかり受け止めて共感したり、問いかけたりを重ねることで、これまでの経験や大切にしている考えを書いてくださるようになりますし、質問や知りたいことを書いてくださる人が増えてきます。

ここにみんなと一緒にいる。
自分の考えや思いを受け止めてもらえる。

安心・安全は、そこにいる人が実感で来てはじめてその場が創り出せたことになります。みんなが受講してくれている様子やレポートの内容からそれが感じられるのが何よりも嬉しいです。

最後のレポートには、いつも以上にたくさんの気づきや感想が書いてありました。


「僕はこの講義でたくさんのことを学び、気づくことができました。僕たちが大西さんに渡せたことは、何かありましたか?」

と書いてくださった方がいらっしゃいました。
とても、とても嬉しい問いかけです。
”もちろん、毎回、毎回、皆さんの気づきや受講してくださっている様子から、たくさんのことに気づかされ、学ばせてもらっていますよ!!”

思わず心の中で、そうつぶやきました。
今年初めて、講義として行った「アサーティブ・コミュニケーション」。
30年にわたって、学び続け、自分なりの解釈や進め方を構築してきました。

検討に検討を重ねて立案したカリキュラムについて、自分の言葉で書いてくれた思い思いの気づきや感想を読みながら、大切なことを再確認したり、理解が深まったことがたくさんありました。

対話を重ねながら学ぶことはとても大切であることを実感した3か月でした。
7月12日は講義最終日。できるだけたくさんの学生さんと、対面での対話を持ちたいと考えています。


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