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接客は、心を鍛え豊かにする仕事

一昨日、本部の呆れた対応のことをブログに書いたら、今日は晴れやかな気持ちで店舗改善指導ができました。
机にかじりついて数字と情報だけしか見ていない輩の相手をしているほど私は暇していません。

昨日も開店から閉店まで、ロビーで行員さんやスタッフさんが応対や業務を行う様子を見せていただきました。ご依頼をいただく内容は支店によって異なります。大体が窓口担当者とロビーでご案内を行っている方の接客についてです。
しかし、昨日は「業務にかかる時間を削減するための改善指導」がご依頼でした。

お手続きにかかっている時間が、全店でワースト3なのだそうです。業務知識の習得が人によってばらついたり、数年前から導入されたタブレットの操作に不慣れなことが、時間がかかっている原因だとおっしゃっていました。窓口業務を行っている方は全員年配のパートスタッフさんです。
新しいやり方を覚えるのも至難の業。ましてや機械操作が苦手なのに、「タブレット」を使った手続きが次々と増えるので、知識やスキルを習得するのは大変だろうなと思います。

支店長や責任者から支店の現状を伺って、さっそくチェック開始!すぐにわかったことがありました。それは、担当者が「待っている状態」が非常に多いことでした。

・順番が来たので窓口から何度もお客様をお呼びしてもいらっしゃらない。
・お呼びしたお客様が、まだ書類を作成している途中なので、作成が終わるまで待っている。
・ロビーで手続きの説明をしている案内係が、自分が対応しているお客様の受付番号を把握していないので、呼ばれても気づかず説明を続けている。
・後方から窓口に応援に入るタイミングが遅い。…etc

皆さんの様子を観察しながら、こんな、待ったり探したりする時間が発生しているケースを20種類近く発見しました。
この状態を改善すれば、知識やスキルの習得も徐々にやればよくなります。

「確かに一つ一つ思い当たります。しかし、こんなによく見つけられましたね!」支店長も責任者も、メモに書き出した内容をご覧になってビックリされていました。

私自身が本業がお休みのときは、宅配センターの構内で、仕分け・積み込み作業を行っているので、どのような工程の短縮化が望ましいのかが、とってもよくわかるのです。窓口担当のスタッフさんも、「そういうことなら抵抗なく取り組めそうです!」と喜んでくださっていました。

仕事を終えて帰るときに、ロビー担当の方と少しお話しました。キャリア10年目の担当者と、ついこの間ロビーの案内係を担当し始めた方でした。
二人とも、誠実に一生懸命にお客様の対応を行っておられたので、そのことをぜひ伝えて帰ろうと思っていました。
特に、日の浅い担当の方の応対は積極的でにこやかだったので、そのことを
お伝えすると、急に涙ぐまれました。

説明に必要な知識も応対のスキルも身についていないため、本当は応対を行うのが不安でいっぱいだったそうなのです。また、最近はコロナ禍で自粛や制限が続いているため、ちょっとしたことで怒り出すお客さまも増えていて、対応の難しさに悩まれていたようでした。

「日々たくさんのお客様の対応を行うのは大変ですよね。嬉しい気持ちだけでなく、悲しかったり、情けなかったり、悔しかったりのことが多いかもしれないですね。応対は、いろんな気持ちを実感することで、心を鍛え豊かにしてくれる仕事だと思いますよ。机に向かってパソコン画面にある数字とにらめっこばかりして、人の気持ちが理解できなくなるより価値ある仕事だと思いますよ」
と、最後の方は一昨日のことを嫌味たっぷりで話してしまいましたが…(笑)

最前線でお客様対応に従事されている皆さんと、笑顔と前向きな言葉を共有し合った有意義な1日でした。

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