米国株、ダウ5日続落 インフレや地政学リスク懸念 JPモルガンが大幅安

米国株、ダウ5日続落 インフレや地政学リスク懸念 JPモルガンが大幅安

米国・欧州株概況

2024年4月13日 5:07

【NQNニューヨーク=戸部実華】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比475ドル84セント安の3万7983ドル24セント(速報値)で終えた。前日にハイテク株を中心に買われた後で、週末を前に持ち高調整の売りが出やすかった。インフレや地政学リスクを巡る懸念も投資家心理の悪化につながった。朝方に四半期決算を発表したJPモルガン・チェースが大幅安となり、ダウ平均を下押しした。

米国のインフレの沈静化に時間がかかり、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が市場の想定より遅れるとの懸念が強まっている。ミシガン大学が12日に発表した4月の消費者調査では、1年後の予想インフレ率は3.1%と3月(2.9%)から上昇した。一方、消費者態度指数は77.9と市場予想(79.9)に反して3月(79.4)から低下した。高金利環境が長引き、経済を下押しすることへの警戒も相場の重荷となった。

地政学リスクも買い手控えにつながった。イスラエルに対するイランの報復が迫っているとの観測が広がるなか、米政府高官は12日に記者団に攻撃について「潜在的な脅威は現実的で、実行されうるものだと考えている」と話したと伝わった。原油供給にも悪影響が出るとの懸念から、米原油先物相場が上昇。エネルギー高もインフレ圧力を高めるとの懸念につながった。

個別銘柄では、JPモルガン・チェースが大幅安となった。2024年1〜3月期決算の発表時に示した24年12月期通期見通しで、経費が1月時点の予想より増えたうえ、純金利収入が市場予想に届かなかった。

インテルも下げが目立った。中国が自国内の通信網から外国製半導体の締め出しを進めていることを巡り、「インテルとアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)に影響がありそうだ」と米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版が12日に伝えた。

このほか、ウォルト・ディズニーゴールドマン・サックスボーイングIBMの下げが目立つ。アマゾン・ドット・コムマイクロソフトも安い。一方、アップルは買われた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比267.104ポイント安の1万6175.094(速報値)で終えた。エヌビディアやAMDといった半導体関連が軒並み安い。メタプラットフォームズとアルファベットも下げた。

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