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039 般若心経4

舎利子、是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。

 更に、舎利子に向かって説いている。私達が住んでいるこの世界は空相であると。また「空」という難しい言葉が出てきた。般若心経を理解するには、この「空」を避けて通ることはできない。
 さて、話は大きく変わるが、お釈迦様による仏教が確立されたころ、ギリシャでは科学(ギリシャ哲学)が生まれている。紀元前5~6世紀ごろのことである。キリスト教はその5~600年後、イスラム教は更に5~600年後に成立している。仏教も科学も、この世界について深く考えようとしたものであるが、大きな違いがある。科学は人の要素を完全に排除している。対象は物質・空間・時間であり、仏教でいうところの「色」である。
 一方、仏教は人の要素に着目している。色も対象としているが、あくまでも人が認識することによって存在しているだけで、本来は空であるとする。さらに、人自体も空であると言う。
 世界のすべてが空であるからして、それは、生成もしないし無くなることもない、汚れたりもしないし奇麗ということもない、増えたり減ったりもしない。ここから更に人の認識について詳説していく。何かを認識するということはいったいどんな仕組みなのか。

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