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賃金と物価

 賃金と物価について考えてみたい。
 失われた30年、アベノミクスの10年。日本はこの間賃金と物価に悩まされ続けてきた。日本だけの問題である点が異常である。未だに解決の糸口が見いだせないでいる。考えても無駄であるだけでなく、私のような素人が考えてもどうにもならないような気がするが、それでも考えてみよう。
 長期に亘って難しい問題は単純化してみることが肝要。まず、市場経済の大原則、需給曲線を考える。Y軸が量、X軸が価格。右肩上がりの供給曲線、右肩下がりの需要曲線、交点で価格と量が折り合う。30年間で、この交点が移動しなかったのが日本経済。アベノミクスという禁じ手のようなことをやってもびくともしなかった。もちろん、交点が上に移動すれば、物価安定化の経済成長である。歴史的には、交点は斜め右上へ移動する。つまり物価高を伴う経済成長である。
 ほとんどの先進国、発展途上国は交点を右上へ移動させている。もちろんかつての日本もその道を辿っていた。では、日本は何故交点が固定してしまったのか、その答えはもう一つの需給曲線、つまり労働市場にあるというのが私の仮説である。少し長くなるので、次回に続ける。

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