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2023年 読書ランキング

とうとう2023年も今日でおしまい。
そうです、今日は大晦日です。

というわけで例年通りに今年読んだ本のランキングを発表します。
――実際には、今の今、今年読んだ本の一覧から選び出している訳ですがw

今年は読んだ本も少なめですが、ランキングに入れるような本も少なかったみたいです。
実際には「自分が書いている小説の資料として読んだ本」には良質なものも多かったのですが、それはランキングに入れていません。

そういう訳で第8位からの発表です。

第8位
「新版 科学がつきとめた『運のいい人』」
中野信子 著
久しぶりに中野信子さんの著作を読みましたが、テーマが興味深いだけではなく、取り上げ方も読書の興味を引くように論を進めていきます。
あっと言う間に読み終わってしまいました。
運のいい人の生き方というか、生きる姿勢というのは、全ての要素を含んでいて、ちょうど自分が取り組んでいるダイエットの取り組み方というのは、まさにこれでした。
私が以前に読んだ「サイコパス」よりも、こっちの方が多くの人に読んで欲しい本でした。

第7位
「シャーロック・ホームズとシャドウエルの影」
ジェイムズ・ラヴグローヴ著
まさかのシャーロック・ホームズとラヴクラフトが創った「クトゥルフ神話」の世界のコラボです!
クトゥルフの邪神とホームズは戦っており、それを隠すためにワトソン博士はいわゆるホームズ・シリーズを発表し続けていた、という設定です。
三部作らしいのですが、うまく最後まで展開できるのかという興味が続きます。・・・・・と言いつつ買ってある第二部にあたる「シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪」は積ん読になっていますw
既に三部作の完結編「シャーロック・ホームズとサセックスの怪魔」も出版されているので、これは来年の課題図書。

第6位
「メグレと若い女の死」
ジョルジュ・シムノン著
個人的にはちょうどメグレ警視シリーズを読み返したいなぁ、と思っていたタイミングでの出版でした(映画公開に合わせてでしたが)。
映画よりも原作の方が面白かったのですが、これを現代の映像にするのは難しいことも分かります。
今と違う時代の面白味が、すでに忘却の世界観の中なんですよね・・・・・
そういう意味ではホームズやポワロなら、当時の世界のままで映像化できることは驚異ですね。

第5位
「8マンVSサイボーグ009」
009を読まずに生きてきた身には、009のことが分かっただけでも収穫でしたが(それともファンにはありきたりの展開でしたか?)、エイトマンと関サチコの物語の美しい完結を見せてくれたことが感動でした。
長いこと気に掛かりつつ、誰も上手く描いてくれなかった部分でしたから、やっと一つの「心残りを晴らしてくれた」とでもいえば良いでしょうか。

第4位
「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」
相沢沙呼著
前作に続き、ランクイン。
確かに前作ほどの衝撃を同じシリーズで与えることは、もう無理な話なんですが、その限られた条件の中でまた読者を驚かせてくれます。
出版社やマスメディアと問題も起きてしまって(出版社とメディアが悪いとしか感じない)、第三部で終わっちゃうのでしょうか?

第3位
「消えた戦友」
リー・チャイルド著
言わずと知れたジャック・リーチャーの最新翻訳です。
相変わらずハラハラさせてくれて、リーチャーの無双っぷりでスッキリという展開w
来年のアマプラでの映像化の原作ということで、いまから楽しみです。

第2位
「戴天」
千葉ともこ著
松本清張賞受賞後の第一作。
大唐国は玄宗皇帝と楊貴妃の時代。
「安史の乱」をとりまく人達の歴史時代小説ですが、史実を踏まえつつの作者の発想と物語の展開には脱帽です。
私では足元にも及びません・・・・・・

第1位
「レンブラントを取り返せ―ロンドン警視庁美術骨董品捜査班―」
ジェフリー・アーチャー著
大御所のご登場です!
幾つになったのでしょう?と思わせるご年齢ですが、まだまだ健在。というよりも少しの衰えも感じさせません。
久しぶりにワクワクと本を手に取りました。
主人公が警視総監になるまでを描く構想らしいですが、最大の難関は「作者の寿命」とアーチャー氏御自身が語っていますが、ぜひ長生きしてほしいです。

番外というか来年のランキング入り確実な一冊

発売日が9月となっていまるのに、全然気づかず、購入したのはクリスマスの日でした。
読み始めたら・・・・・めちゃくちゃ面白い!
この作品は一作ごとに面白くなっていっている気がします。
その一作目が凄く面白かったのですから、もう新刊が楽しみでしかない。

で、もう一冊は読んでいないので面白いかどうか分からないのですが

評判が良いので期待しているのは事実ですが、驚いたのはその価格。
「カラス殺人事件」は2200円です。
ページ数で値段が決まるわけではないのですが、「グレイラットの殺人」が本編713ページで1300円に対し、「カラス殺人事件」は本編492ページでの値段(本編の最終ページを確認するのは、未読だと中身を見ないように細心の注意が必要)。
講談社がP・コーンウェルを売る出した頃に文庫の値段が上がったと感じましたが、そのままか少しずつの値上がりで経過してきたと思います。
「グレイラットの殺人」の値段はその流れ通りの価格設定ですが、「カラス殺人事件」はまさに価格ジャンプといてもいいような値段です。

私の中には矛盾する考えが一杯あって、翻訳小説を読んで育った身からするとこうした値段設定で出版や翻訳者にしかるべき報酬がないと、翻訳小説が廃れてしまうと言う危機感もあります。
一方では刑事マルティン・ベックのシリーズ(「笑う警官」が有名)が完訳ならずに終わった苦い経験もあります。
高いと売れなくならない?という心配。
どうなるのでしょうか。

自分が小説家を目指すなら、翻訳小説よりも日本人作家の売れ行きを気にするのが筋だっている気はしますが、幼い頃から翻訳小説で育っただけに、海外小説を読み続けたいんですよね。

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