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台湾の行政区分について

台湾の行政区分についてのメモ

最近の地震報道で花蓮県がよく出てくるので台湾にも県があるんだなと思っている人も多いだろう。
しかし、日本の区分とは若干違うところがあるので簡単にまとめてみた。

日本統治時代には最終的に州になるなど過去には何度も区分が変わっていた台湾だが、区分変更は近年に入っても継続されており今後もまだしばらくは変わっていくと思われる。
これには恐らく台湾独立運動も影響しており、かつては大陸側と同じく省が存在していたが、これを事実上廃止して独立へ向けて台湾独自の行政区分へ変更している最中といったところだ。

台湾にも日本と同じく市が存在するが、日本と違うところとして国直轄の市がほとんどという点がある。
首都台北も台北市であるが国直轄の区分である。
市の下には区があり、市域内の第二区分としては区しか存在しない。

ちなみに台北市は首都ではあるものの人口としては台湾内4位である。
というのも台北市は中心部のかなり狭い範囲のみであり、台北都市圏のほとんどは新北市が形成しているためである。
新北市は台北市の四方を囲んでおり、2010年に設置されたかなり新しい市である。
英語でNew Taipei Cityと表記され、読んで字のごとく新しい台北市という意味である。

市の中でも他の市と若干違う扱いの市もある
それは基隆市、新竹市、嘉義市なのだが、この3市以外は直轄市という区分で正真正銘の国直轄の市であり、3市は人口が125万人に満たないため直轄市には昇格できていないという状況である。
ただし第二区分として区のみ存在するという点は変わらない。
直轄市になれるかどうかは、日本の政令指定都市になれるかどうかと同じような違いである。

これは日本と同じような感覚で良いのだが、国直轄の県である。
県の下には市、鎮、郷があり、日本で言うところの市町村のようなものであるが、郷の下に村も存在する。
ここで言う市は県轄市と呼ばれており、県直轄の市であるため台北市などとは扱いが違う。

直轄市と県轄市があるせいでややこしくなっている。
新竹県がありその下に竹北市があるのだが、この竹北市の南に隣接して先ほどの直轄市ではないものの国直轄の新竹市があり、なんでこんなにややこしくしているんだと思ってしまう。
花蓮県花蓮市のように県名と同一の県轄市がいくつもあるため、普通なら新竹市は新竹県の県轄市だろうと思ってしまうが実は違うというトラップがある。
ちなみに新竹市が独立しているのはあのTSMCの本社があったりして台湾のシリコンバレーと呼ばれている地域を抱えているためだと思われる。


こんな感じで簡単にまとめてみたが、国直轄の区分としては市と県の2つしか無いが内部を見ていくといろいろややこしかったりするので面白い。

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