ないものねだり

私は毎日悩んでいた。自分の顔に。四六時中ほんとにずっとずっと悩んでは病んでた。メイクなんて濃くないと外に出られないし、もちろん人と目を合わせて話すこともできなかった。とにかく容姿端麗な子が羨ましくて仕方がなかった。整形しても限度はあるし。

それがあるとき変わった。
高校で仲良くなったお友達が小学校の時にいじめが原因で不登校になって精神病を患っていたことを知った。
そこまで暗い話はお互いにしていなかったから不登校だったとか知らなかったけど、仲良くなっていくうちに色々話して、その原因が容姿にあったことを知った。可愛すぎたらしい。こんなのだけでは自慢とか、にしか聞こえないかもしれないけど、彼女は切実な目をしていた。もっと並の顔だったらよかったんだけど🥲字面だけで見るときっとこの本人のあの時に言葉のニュアンスは伝わらないだろう。本当に切実に悩んでいた。
可愛い子の苦労なんて、いくらあっても可愛くなりたいとかずっと思ってたけど、まあもちろんこの話を聞いたところで容姿の悩みなんてなくなりはしないけど、大親友の過去がそんなだったとは知らなかった私は心が苦しくなった。

これを言われて思ったことが自分に顔に納得できたということではない。けれどただ絶対的なものだけはない。ただそれには気づくことができた。絶対的に可愛い方がいいとかそういうことはない。絶対はない、もちろん容姿端麗で得をしている人が多いのは事実だし、でもだからと言って自分の心を毎日ナイフで刺してしまうようなするほどのことではないかもしれない。そう思った。

ないものねだり

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