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喫煙により禁煙の納得を深めたはなし

久しぶりにタバコを吸った。

こないだちょろっと手巻きのタバコを吸ったのを除けば(条件が整ってなくてまったくおいしくなかった)、一年と七ヶ月ぶりくらい。



ここ数日、ハイライトを、1日の終わりにコーラかドデカミンをお供に2本程度吸うようになっていた。

強烈なヤニクラはなかったが、久しぶりに吸ってみると、ニコチンがいい感じに作用して頭もまわるし良い気分になる。

体調などにそこまで悪い影響も出なかったし「1日数本程度で付き合っていけるものなのかもしれない」などと思っていた。昨日までは。



息が苦しい。タバコを吸った直後でもないのに。それで調べてみると、どうやら気管支炎というちゃんとした名前のついた病気らしい。

僕に出た症状は「痰がめちゃめちゃ出る」「日常的な呼吸がつねに苦しい」といった感じだった。

たぶん急性気管支炎だな。



すごくなつかしい気持ちになった。

そうそう、これこれ。これなんだよ。これが慢性的にあったから、その埋め合わせとしてまたタバコを吸ったり、過剰にメシを食ったりしていた。

呼吸が苦しいと判断力もなくなって神経もやられるようで、歯止めが効かなくなる。ただ、今回は懐かしさと共に「これでまた吸ったら終わるな」という確信があり、埋め合わせはせずにひたすらその症状をやわらげるために水を多めに飲んだり筋トレをしたりしていた。

じっさい、効果があった。じわじわとした苦痛なのですべてを解決することはできなかったけど、症状が治まるまでやりすごすことができた。



トータルで吸ったのは14本だったと思う。毎日2本程度でこんなに身体を悪くしてしまうのだなと改めてタバコが身体に良くないことを理解した。気管支炎喘息という感覚をつかめてよかった。

朝になっても吸いたいという気持ちは相変わらず起きなかったし、日中も特に吸いたいという気持ちはなかった。

夜になってなんとなくねむくなってきてスッキリしたい気持ちになったのでタバコを吸っていたのだけど、いやあ本当にうまかった。やっぱりタバコはうまい。



うまいけど、たぶんまた当分は吸わないだろうとおもう。いま禁煙している人には、これを読んで「やっぱりタバコくそだな〜」って思って欲しい。まぁ、うまいんだけど。

まぁでも、僕はそこまで吸いたいという気持ちが強くならないので、たまーに仲間と集まった時とかに2〜3本吸って身体に悪いあそびをするのもそんなに悪くないかなという気持ちにもなった。

「不快がつづくのがイヤ」という理由で、強烈な依存にはならない自分が形成されているのを感じた。それは人間関係においてもそうだし、何においてもそう。どれだけ強い快楽が得られても、それで苦痛を感じる機会が増えるのならやりたくない。

そんなこんなで、タバコってのは特別な日にちょっとだけ仲間と吸うとかそんな感じならいいんじゃないかなと思えた。

でも、基本的にはもう吸いたくない。気管支炎がめんどくさいので。



いまの僕は「健康ってなんて気持ちいいんだろう」という気持ちになっている。

呼吸がじょうずにできる。それが美しいことだと感じる。

またしばらくのあいだ、この苦しみを糧に、日常の美しさを忘れずにいられる気がする。

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