呉座勇一氏謝罪騒動まとめと個人的感想

今更、手垢の付いた話ですが、一応。

時系列

1.歴史研究家の亀田俊和氏が、網野善彦氏に対して言及。(現在は削除)
ツイートに対して批判が集まる。

亀田 俊和
‏@kamedatoshitaka

必要があって、網野さんの本を読んでいます。改めて、ほんとレフティな方ですねw

日本嫌いなのに、何で日本史研究したんだろ?w

日本神話が事実ではなく、建国記念の日に科学的な根拠など何もないことなど、平泉澄だってはっきりと認めています。しかし平泉にとっては、それこそ日本が古きよき伝統を誇る国であることの何よりの証拠であった。私もそれは平泉と同じ意見ですね。

2.北村紗衣氏が一連の網野発言に言及。
名指しはしていないが、亀田氏に対する言及と思われる。(そもそも、相互ブロック関係らしい)

冷笑系とかいう言葉あるでしょ。最近話題の網野善彦発言、あれは冷笑系だと思うんだけど、網野善彦って冷笑とは反対のロマンチックがとまらない文章を臆面もなく、かつ自覚して書いてると思うんですが、冷笑系ってのはそういう暑苦しいくらいの愛と情熱が隠れた文章を見分けられないのではないか。

3.以前から鍵垢であった歴史研究家の呉座勇一氏が、北村紗衣氏に対して言及(と言うか揶揄)
ツイートのスクショが北村氏に渡ったらしく、Twitterで反応。

呉座勇一さん、私は全く面識がないし著作も読んだことないんですが、鍵アカウントで私に見えないように私の悪口を言っているというスクショいただきましたー。かわいらしい方ですね。

4.この件がきっかけで、呉座氏の過去発言が掘り返される。
北村氏に対する誹謗中傷的なツイートも明らかになり、呉座氏が後に謝罪。
来年の大河ドラマの監修からも外れる事に。

5.その後、呉座勇一氏に近い人達に対する批判が集中。Twitterのハッシュタグ運動などもあり、何名か謝罪した事例も発生。

まとめてみると、シンプルに良くあるネットバトル

何か、今回の騒動でTwitterを消す人が多くてソースを探すのに一苦労。
こういう時のために、ネット発言を記録する人がもっと増えれば良いのですが。

それはともかく、発端となった亀田氏の発言は軽挙に過ぎますし、北村氏の反論も情緒的に過ぎるように感じます。亀田氏が謝罪した事もあり一方的に悪いみたいな風潮もありますが、北村氏の発言も攻撃的ではある。
ただ、そんな事が問題にならないくらい呉座氏の言動が論外なのはその通りで、呉座氏の著作を読んだ事がある人ほどショックを受けたのでは無いかと思います。

まとめてみると、これは結局ネットバトルなんですね。お互いはネット論争という認識かも知れませんが、自分からしたらありふれたネットバトル。(日本語で言うと、ネットの口喧嘩)
特異性が有るとしたら、お互いが地位のある学者や研究者である事。
その事自体は当たり前になっているので、今更驚きは無いですが。

呉座氏も北村氏も、ネット上で攻撃的な人だった

そもそも、呉座氏にしても北村氏にしても、ネットバトルの常連で。
呉座氏に関しては八幡和郎氏や井沢元彦氏との論争が有名。

八幡氏VS呉座氏:「停戦」とします
https://agora-web.jp/archives/2038038.html
「俗流歴史本」の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65110

北村氏も春名風花氏や佐藤由美子氏に論争を仕掛けています。

文化コンテンツ批判とはどういうものか――北村紗衣氏と春名風花氏との対話を中心に
https://togetter.com/li/1477052
佐藤由美子さんの「日本語版ウィキペディアで「歴史修正主義」が広がる理由と解決策」について
https://saebou.hatenablog.com/entry/2021/01/17/000000

個人的に、ネットバトルは必ずしも悪いものでは無いと思っています。そもそも、世に広まると害になる間違った発言を指摘するのは悪い事ではないですし、良い方向に進めば反対側の意見も取り入れられますし、結果「良い論争」に繋がる事もあり得ます。(今回も含めて、そうで無い事の方が多いのですが)
発端の亀田氏も含めて良いネットバトルになる可能性もあったのですが、相互ブロックしたり鍵垢での陰口。取り巻きや信者の番外戦などがあり、結局今回の結果に至ると。
ちなみに、呉座氏の発言についてはネットバトルですらない。ネットリテラシーの低さやモラルの無さ。社会的立場の責任感が欠如していた故の炎上。
結局、鍵垢での発言はプライベートで悪口言い放題だと勘違いしていたとしか思えない。
私はこの種の、ネット空間にもプライベート空間があると勘違いしている輩や、ネットで自分ルールが通用すると思っている輩は大嫌いです。

呉座氏と北村氏の接点となった、宇崎ちゃんの献血騒動

ところで過去に北村氏と宇崎ちゃん献血ポスターで論争した弁護士の吉峯耕平氏が、今回の件で見解を出しています。

弁護士 吉峯耕平(「カンママル」撲滅委員会)(@kyoshimine)さんがツイートしました: 呉座先生のさえぼう先生への評価が急変するのは、2019年11月のことです。つまり宇崎ちゃんポスターに関する、さえぼう先生と私のやり取りを見て、さえぼう先生への評価を下げたという経緯と思われます。具体的なTweetを一つだけ引用可能です。

当時の論争は下記を参照。

吉峯氏によれば、呉座氏が北村氏への評価を下げた原因として献血ポスター騒動の醜態があったと。
個人的な見解になりますが、献血ポスターに関する北村氏の発言は褒められたものでは無いと思っています。ブログでの穏当な主張(高い倫理性と責任感を保って運営してほしい)はともかく、Twitterでの過激な主張(宇崎ちゃんポスターは医療広告倫理に反している)は同意できるものではなく、論争相手をブロックして賛同者のツイートをリツイートする手法は評価出来ません。
まあ、醜態とまでは思いませんが。

この件で北村氏への評価を落とした人は私だけでは無いと思いますが、呉座氏もその一人だったんでしょう。
その後、呉座氏は鍵垢での陰口という最低な方法をとり、結果致命的になってしまいました。
これは、前述の通り完全に呉座氏の醜態であり弁明不能です。

げに恐ろしきは取り巻きや信者

時系列の最後の部分ですが。

5.その後、呉座勇一氏に近い人達に対する批判が集中。Twitterのハッシュタグ運動などもあり、何名か謝罪した事例も発生。

正直に言うと、この部分は今回の騒動で肝でありながら脂っこい部分であり、あまり触れたくないです。どうでも良いと言うか、掘り下げても益がないと言うか。
呉座氏は取り巻きの影響でああなっただとか、北村氏は信者を煽動していたとか色々有りますけども、見た通りですし。
亀田俊和氏に対する攻撃がその後も続いていたり、呉座氏とTwitter上で交流があった白饅頭こと御田寺圭氏が記事を書いたり、「#さえぼう先生への二次加害に抗議します」なんてハッシュタグがトレンドに入ったり色々あったみたいです。
ただ、昔からこういう「取り巻き」や「信者」の存在は大嫌いで、正直触れたくないなあと。
記録だけは残しておきますが。

最後に「女性差別的な文化を脱するために」なる声明について

最後に、今回の騒動の集大成と言えるこの声明文。
この主張そのものに反対する訳じゃ無いですが、呉座氏を討ち取って生首を掲げながら「この問題は呉座氏だけの問題じゃない、ネットに蔓延る女性差別の問題だ!お前たちも考えを改めないとこうなるぞ!」と周りに迫っている様に感じて、素直に賛同できません。
呉座氏の失言から女性差別や歴史修正主義に話を広げ、そこから日本は男性中心主義文化と断じて批判に繋げるのは飛躍しすぎの様な。
全体的にフェミニストへの批判を封じ込めようとしている思惑も感じます(前述の宇崎ちゃん献血ポスター騒動の様に、批判すべきフェミニストの運動も存在する)。杞憂であれば良いのですが。
後、発起人や賛同者に「この人が入ってると、この声明そのものに疑問符が付くんじゃね」的な人も混じっているのも胸焼けがします。具体的に女性差別はしないが、特定の対象への侮蔑発言を残している人とか。誰とは言いませんけど。

とりあえず、この件はここで締めといたします。

参考サイト(今回触れなかった件も含む)

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