石川優実氏のKuToo本裁判の判決についての雑感と、これ以上彼女に言及しない方が良いと思った理由

昨日(2021/05/26)石川優実氏を著作権侵害などで訴えていた裁判ですが、原告の請求を棄却する一審判決が出たとの事。

判決の報を聞いた時は、この勝訴を元に煽り立てる人間が出てきそうだと嫌な予想をしてしまいました。
実際に、そういう動きもあった様なんですが。
どうも彼らは、差別者と認定した相手には何を言っても構わないと考えている節があり、罵倒に近いツイートをする人も散見します。
ただ、一方でフェミニストには何を言っても構わないと考えている人も居るのも確かで、どんな判決だったとしても、結局は煽り合いになっていただろうなと。

嫌な言い方ですが、今回の訴訟を支持してきた人たちの中には、石川優実氏が痛い目にあう姿を見て溜飲を下げたいと思ってた人も多いんじゃ無いかな。自分もその気持ちは有りましたし。
でもあくまで著作権と名誉毀損の裁判であり、喧嘩のジャッジじゃないんですけどね。

少し気になる部分

東京地裁の佐藤裁判長は、ツイートの掲載は、著作権法の「引用」に該当するとしたうえで、公正な慣行に合致し、正当な範囲内でおこなわれていると判断。「#KuToo」は「#kutoo」の誤記に過ぎず、同一性保持権を侵害したとはいえないとした。

一審判決なので覆される可能性はあるのですが。
今回の引用の扱いについて。あくまでツイート文章の引用として判断したみたいですね。
ただ、個人的に引用するにしても誤解なく正確にすべきで、石川氏に直接リプを飛ばしたと思わせる引用のやり方は、法的にはともかく不誠実だと感じます。

また、「へんてこりんな人」「Twitterになると急にバグる」などの表現については、「原告の名誉感情を侵害する」としても「社会通念上許される限度を超える侮辱行為に該当するということはできない」として、請求を棄却した。

名誉毀損の焦点にあたる、この部分は気になるところです。
これをもって、「へんてこりんな人」「Twitterになると急にバグる」などの揶揄が法的に許されたという訳ではなく、あくまで侮辱行為に該当できないだけですね。
逆に言うと、名誉感情を侵害している可能性は否定していない。
判決文を読むと、原告側の発言を含めて総合的に判断している様です。

<参照>

神原元弁護士と太田啓子弁護士が代理人だったのか

ちなみに、今回の会見で代理人が明らかになりましたが、神原弁護士と太田弁護士だったんですね。
石川優実氏の訴訟用アカウントがやけに攻撃的だと話題になっていましたが、この面子だとさもありなん。
ちなみに、この会見では神原弁護士はこう発言しています。

「他人の文章を一部引用して批判することはよくある。それを『こういう趣旨ではない』『ここを切り取られては困る』ということもよくあるが、すべて違法だったら著作権法の引用が不可能になってしまう。専門家の間で意見が分かれるものではないし、声を上げた女性の口をふさぐ、一種のスラップ訴訟ではないか」

訴訟した相手に対し、スラップ訴訟とレッテルを貼るのは大丈夫なんですかね。
原告は、著名人の書籍に批判目的でツイートが引用され、侮辱を受けたと感じ訴訟した一般人なんですけども。
ただでさえ性犯罪など、女性が訴えづらい社会である中で、訴訟する事自体を批判する発言は、女性の口をふさぐ事に繋がりませんかね。
隣にいたフェミニストで知られる太田啓子弁護士は、この発言に何を思ったのでしょうか。

で、その太田啓子弁護士の発言です。

「裁判を起こす権利が原告にもあるが、負担を強いる裁判をする弁護士を疑問に思う。ツイッター上の揶揄(やゆ)をそのまま法廷に持ち込むことへの問題意識をすごく感じた裁判だった」

さすがに原告の裁判を起こす権利を否定しておらず、その批判は弁護士に向けている様です。
ただ、Twitter上での揶揄を法廷に持ち込むなとも取れる発言で、これはどの様なニュアンスでの発言なのか。
揶揄ごときで法廷に出てくるなという事ですかね。それとも、Twitterでの揶揄感覚で法廷に出てくるなという意味ですかね。

KuTooやKuToo本の価値を判断した裁判ではないのだけど

勘違いしてはいけないのは、この裁判はKuTooやKuToo本の価値を判断した訳じゃない。
KuTooやKuToo本の評価は各個人の自由という事です。
個人的には、KuTooは石川優実氏を信頼できないので支持したくないですし、KuToo本も本屋で手に取ってみましたがが、購入して読みたいとは思わない内容でしたし。
裁判の結果なんか、評価に考慮しません。

最後に石川優実氏について

ところで、ここまで、石川優実氏の勝訴に対する発言を取り上げなかった訳ですが、この記事のタイトルにある「これ以上彼女に言及しない方が良いと思った理由」に繋がります。

まず一つ、最近の石川氏はネット上でのおもちゃになってしまっていて、そういう動きに加担してしまうのが嫌だという物です。
中には誹謗中傷どころではない発言も見受けられますし、そんな連中と同類と見られたくない。

でもそれより一番大きい理由は、石川氏に言及したとしても、何の意味も無いんじゃないかと感じてきたからです。
振り返ってみるに、今まで何のために石川氏について触れてきたのか。
ネット上では、単にストレス発散であったり、アンチフェミの支持者を増やす為に彼女を批判する姿を見せてるんじゃないかと疑わしい人も居ますけども。自分はそうじゃない。

彼女の考え方を変えさせたいから?
考えてみたら傲慢な態度ですよね。
それに、これまでの言動から自説を曲げない人物であるのは明らか。多分、どう頑張ったとしても徒労に終わるだけです。

もしくは、彼女の考え方に影響を受ける人が出てくると困るから批判していた?
でも、今となっては大丈夫じゃないかと。
本人も「なんで一緒に戦ってくれないんだろう」って、支持者が増えない事を嘆いているぬらいですし。(そもそも、石川氏に限らず、味方を増やすことはそう簡単ではない)

言及を止めた方が良いと考えた理由がもう一つ。
それは、石川氏をネットの被害者とするイメージ戦略に利用される危険性です。
最近、石川氏の事を「著名フェミニスト」としてではなく「ネット上で攻撃を受けている被害女性」として扱う記事やインタビューをよく見る様になりました。(これとか)
Twitterの「#石川優実さんへの誹謗中傷をやめろ」というハッシュタグなんか、その際たるもの。
(それにしても、このハッシュタグを使う人たち、気に入らない相手を批判するために石川氏を利用している様に見えるのですが、穿ち過ぎですかね。)
何ならこの裁判も利用されています。神原弁護士の「声を上げた女性」って、石川氏の事を指してますしね。
いずれにしても「そういう人たち」の戦略に巻き込まれかねない石川氏への言及は、注意した方が良いですね。

ここまで書いてきて何ですが、そもそもTwitterでも石川優実氏に触れた事、ほとんど無かったなと。(宇崎ちゃん絡みの発言でツイートしたくらいか?)
だから、今後も触れる事は無いんじゃあんまり無いかなと。今回は裁判の判決というトピックがあったから特別で。
まあ、自分の好きな分野に口出して来たら、なんか言うかも知れませんけども。

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